11年の旅行市場動向、後半の伸び鮮明、PKG利用者も回復

  • 2012年2月21日

 観光庁が取りまとめた主要旅行会社の旅行取扱概況で、2011年通年の推移をまとめた。海外旅行の取扱額は2兆1750億2872万円で0.6%減と前年を割り込んだものの、上半期が5.5%減であったのに対し、下半期は3.5%増とプラス成長。4半期ごとに見ると、3月から5月の第2四半期のみ12.0%減となった以外は、前年を上回っている。

 3月から5月の落ち込みは震災によるものと考えられ、通年で出国者数が2.1%増の1699万3071人となったことも合わせて、全体的に見れば総じて需要は底堅かったといえる。そもそも2009年比で見ると、第1四半期こそ0.9%減であったものの、震災の発生した第2四半期ですら8.5%増、第3四半期と第4四半期は14.5%増、17.1%増と2桁増となる。



 国内旅行も同様に通年は6.4%減の3兆6404億6338万円ながら、上半期が4.4%減、下半期は0.1%増。四半期ベースでは第1四半期から順に10.7%減、7.8%減、1.3%減、1.5%減となっている。海外旅行と国内旅行は、2009年と比較しても堅調ないし好調な推移を見せており、海外は第2四半期から、国内は第3四半期からプラスに転じている。



 震災の影響が最も大きかったのは外国人旅行で、通年は28.2%減の464億4717万円。ただし、一時は8割近い落ち込みとなっていた中で、11月は18.7%減、12月は34.3%増となるなど回復傾向が明確になってきている。上半期は10年比で40.3%減であったのに対し、下半期は19.1%減まで戻しており、2009年の下半期と比較すると、3.0%増と上回っている。