アクセスランキング、1位はCX中部線、2位は日本航空の経営計画

  • 2012年2月17日

[総評] 今週の1位は、キャセイパシフィック航空(CX)による中部/香港線の増便の記事でした。2位に入った日本航空(JL)の中期経営計画を上回るアクセスを集めたのは意外でしたが、おそらくどちらか別のウェブサイトでご紹介いただいたのでしょう。とはいえ1日3便は結構な頻度ですし、そうでなくても増便は嬉しいニュースです。

 今週のランキングを見てみますと、マレーシア航空(MH)の羽田線運休の記事がランクインしてはいるものの、10位には中国東方航空(MU)の上海線増便が入り、JLも新路線の開設を予定しているなど、総じて座席供給量拡大の傾向が顕著になってきているように感じます。今後はLCCの新規就航も予定されていますし、需要をどこまで引っ張ってくれるか楽しみなところです。

 さて、2位のJLの中期経営計画ですが、2016年度までを対象としたもので、16年度までに国際線座席供給量を2011年度比で25%拡大しようとしています。JL代表取締役会長の大西賢氏は2月16日、JATA経営フォーラム2012で特別講演をおこない、日本発着の需要とアジア/欧米間の乗継需要を大きなターゲットにすると説明されました。その第一歩が成田発着のボストン、サンディエゴ、ヘルシンキ線の新規就航です。

 いうまでもなく、これらの路線はワンワールド内の提携を前提としたもので、おそらくヘルシンキ線についても、フィンエアー(AY)とのコードシェアだけでなく共同事業の可能性も見据えたものと思われます。2月17日にはアメリカン航空(AA)の副社長の方のお話しをお伺いしましたが、彼らも事業基盤の最重要項目の一つに共同事業などの提携関係を挙げています。

 航空業界では911やイラク戦争、SARS、燃油価格の高騰などの苦境の中で合従連衡が進み、いつの間にか別々の会社が“財布”を一つにして営業するような提携関係まで始まっています。旅行業界ではまだそうした動きは僅かしか見られませんが、航空会社側のそれが今後どこに進んでいくのか、その結果として旅行会社にどのような影響が出るのか、注視していかなければなりません。

 ところで、先ほどウェブサイトに掲載しましたが、JLが燃油サーチャージの引き下げを発表しました。実際には燃油価格は変わっていないものの、円高などの影響を加味して、燃油サーチャージの適用条件自体を引き下げたそうですが、消費者目線で考えても到底納得できる変化ではありません。燃油サーチャージは間違いなく需要に悪影響を及ぼしていますから、何としても抜本的な改善を実現したいものです。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2012年2月第3週:2月12日0時~2月17日18時)
第1位
キャセイ、中部/香港線を1日3便に、午後便をデイリー化(12/02/13)

第2位
日本航空、5年間の経営計画発表-B787活用、中長距離線強化(12/02/15)
JAL大西会長、羽田と成田の役割明確化、チャーター強化も(12/02/16)
日本航空、成田/サンディエゴ、ヘルシンキ線新規開設-B787で(12/02/15)

第3位
「観光が新しい日本を作る」-観光業界のミッションと求められる人材(12/02/15)

第4位
マレーシア航空、羽田/コタキナバル線運休-2月1日から(12/02/12)

第5位
東京都、被災地応援ツアー助成金、日帰り対象に-旅先は福島限定(12/02/12)

第6位
業界人が語る今年の意気込みと意見-読者アンケート(2)(12/02/13)

第7位
主要58社、11年の海外旅行取扱額は0.6%減に-12月は好調持続(12/02/12)

第8位
ピーチ、3空港のチェックイン施設を決定、搭乗橋の使用予定も(12/02/16)

第9位
約款改定「知らなかった」が7割、旅行計画への影響懸念も-フォートラベル(12/02/16)

第10位
中国東方航空、静岡など5都市で上海線増便へ、3月末から(12/02/12)