ハワイ、業界との連携で相互の結果重視を強調-今年のマーケティング指針
ハワイ州観光局(HTJ)は2月3日に東京で開催したセミナーで今年のマーケティング指針を説明し、HTJ局長の高畑エリック氏が旅行業界との連携を強めて相乗効果を発揮し、相互の結果を重視した活動をしていくことを、改めて強調した。
営業本部長の三枝肇幸氏によると、2011年の日本人訪問客数は震災等の影響もあり、前年比4.4%減の117万6546人と減少。しかし、福岡発着の直行便開設のほか、機材の大型化などで座席供給量は増加傾向にある。この好条件を踏まえつつ、ハワイを売る旅行業界へのサポートと、消費者のハワイ購買に繋がる活動を重視していく。
そのため、マーケティング戦略ではハワイへ行く動機付けを組み込んだプロモーションと、ROIを重視した販促サポートを展開。マーケティング本部長のミツエ・ヴァーレイ氏によると、今年の目標は「ファーストタイマーの増加」「各島のプロモーション強化」「MICE強化」の3つ。成田、羽田、中部、関空の4大空港圏を中心に、地方にも注力。九州でのキャンペーンのほか、各地のチャーターサポートにも力を入れる。また、ハワイ各島ではそれぞれの色を強く打ち出していく。既にポスターを制作したほか、各種販促ツールの制作も予定。MICEでは2012年から13年にハワイでの大型イベントが少ないことから、日本からの短期ブッキングの誘致を強化し、新規開拓につなげる考え。
これに平行し、数年かけて「アロハ・プログラム」「九州ハワイキャンペーン」「チャータープロモーション」「スポーツプロモーション」の4つの特別プロモーションも実施する。このうち、新たに開始するアロハ・プログラムでは業界向けの「ハワイ・スペシャリスト」に加え、日本各地のハワイ関連ショップやフラなどに親しむハワイ愛好家など一般消費者も巻き込み、ハワイ情報の発信を強める。2、3年をかけて作りこみ、マイクロサイトを開設して展開する予定だ。
業界に対しては、「リレーションシップの再構築」「知識向上戦略」「新アイディアの提案」の3つの柱を構築し、営業を強化する。ITツールが進化する現在でも、できる限り対面する機会を設けるため、定期的なセールスコールやハワイパートナーとのセールスブリッツのほか、旅行会社のタイミングに応じた勉強会も年間スケジュールを組んで実施する。6月から9月にかけて各島観光局との勉強会も開催する予定だ。一方、ウェブサイトやソーシャルメディアの活用、スマートフォンアプリ構築など、必要な時に情報が取れるようなITコミュニケーション手段を考えていく。
また、春先頃の開設を予定する業界向けウェブサイトでは、動画を活用した視察スタイルのオンライントレーニングも設ける。プレゼンテーション資料やイメージ画像のダウンロードも可能とする。トラベルプランナーのほか、ガイドブックやポスターなどの販促物を用意したほか、今後も店頭POPなど旅行会社からの意見に応じて、制作を検討していく。
なお、当日はハワイパートナーも多数参加し、壇上で挨拶をしたほか、昼食時にはハワイ現地オフィスと中継し、日本とハワイ間の連携を強化していく姿勢を示した。