韓国、万博などテコに旅先多様化へ-日韓間「1000万人時代」も
韓国観光公社(KTO)はこのほど旅行業界向けセミナーを開催し、2012年は5月から開催される「麗水世界博覧会」と、1年を通して展開する「全羅北道訪問の年」のプロモーションにより、日本人旅行者の訪問先をソウル以外の地方にも分散化していく方針を説明した。
2011年の韓国への日本人旅行者は前年比8.8%増の328万9000人となり、過去最高を更新。2012年は355万人を目標に設定しており、分散化のほか、増加傾向にあるFITと女性客の取り込みや、「韓流」やテンプルステイなど韓国ならではの付加価値型商品の提供も進める。
麗水世界博覧会は5月12日から8月12日まで、全羅南道麗水新港の一帯で「生きている海、息づく沿岸」をテーマに開催。現在は106ヶ国が参加を表明しており、会場の工事は約9割終了。3月末までには完成するという。麗水は金浦空港から空路で1時間、ソウルから高速鉄道で3時間の距離。期間中は福岡から高速船が運航される予定だ。KTOでは、宿泊施設が限られるため周辺の観光と組み合わせた周遊型のプランを勧めている。
一方、全羅北道はソウルから鉄道で1時間40分、バスで2時間程度のエリアで、ビビンバ発祥の地とされる全州などが含まれる。「訪問の年」のプロモーションではK-POPフェスティバルなどイベントを企画しているほか、食やお祭り、体験型アトラクションなどを切り口に、メディア露出など各種の展開を進める方針。
このほか、韓国全体として産業観光や世界遺産、マッコリなどのテーマに特化した旅行の提案も進めたいという。
▽日韓交流人口1000万人へ
セミナーの後で開催したレセプションの場で、KTO社長の李参(イ・チャム)氏は「日韓の交流人口は2010年に初めて500万人を超えた。現在は震災の余波で少し鈍っているが、早い回復を信じている」と挨拶。その上で、「日韓両国が力を合わせれば、両国交流1000万人時代は遠くないと確信している」と強調し、集まった旅行業界関係者に協力を訴えた。