JNTO、他独立行政法人との統合視野に協議へ-独法改革で
政府は1月20日に閣議決定した「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針」で、国際観光振興機構(日本政府観光局、JNTO)について、国際交流基金(JF)との統合や、他独立行政法人との連携を強化する方針を示した。これを受け、1月に開催した定例会見で、観光庁長官の溝畑宏氏は「海外への情報発信の機能統合はメリットやシナジー効果が見込める」ことから、「海外事務所の機能統合については積極的に議論していきたい」考えを述べた。
基本方針では、JNTOはJFとの統合あるいは連携強化のあり方について協議の場を設置し、検討を実施。3月末までに方向性を整理し、今夏までに結論を得るとした。これに対し、溝畑氏はJFが「交流」、JNTOが「外客誘致」を目的としているという性格の違いから「法人統合ありきの議論はできない」とした。統合を検討する場合も、海外との国際競争力を維持するためには「JNTOが『看板』にならないと難しい」との考えだ。
また、基本方針ではJNTOとJF、国際協力機構(JICA)日本貿易振興機構(JETRO)の海外事務所について、ワンストップサービスの実現と、当該法人の海外事務所がない拠点でも他法人の拠点を活用して業務をおこなえるよう、機能的な統合を進めるとした。特に、3法人以上の海外事務所を設置している都市は、3月末までに方向性について結論を出し、その他についても、機能的な統合のあり方について個別に検討し、今年夏までに結論を出す方針だ。観光庁によると、既に現場レベルでは意見交換やイベントでの協力を実施しており、近日中に関係各所と協議の場を設け、ゼロベースから話し合いを進めていく計画だ。