海外パッケージ、10月以降プラス推移-アジア、ハワイ好調

  • 2012年1月25日

 日本旅行業協会(JATA)がこのほど取りまとめた大手旅行会社7社の海外募集型企画旅行取扱実績によると、10月から12月はいずれも前年を上回り2ケタ増となった。10月は前年比17.2%増、11月は13.2%増、12月は14.9%増で推移。方面別ではハワイが好調で、中国を除くアジア方面など近距離方面も大幅な伸びを見せたが、タイは洪水の影響で大きく落ち込んだ。また、2012年1月から3月の予約状況もすべての月で前年を上回る結果となった。

 方面別でみると、中国を除くアジアでは韓国、台湾、香港/マカオで3ヶ月連続2ケタ増となり、なかでも台湾は10月が80.9%増と大幅に増加した。ただし、タイは洪水が響き10月は13.1%減、11月は85.1%減、12月は65.4%減となった。また、ハワイは3ヶ月連続で2ケタ増と好調に推移した。中国も10月は6.2%増、11月は51.2%増、12月は60.4%増となり、旅行会社からは2010年の尖閣問題による需要低迷の反動で「2倍から3倍で推移した」という報告もあった。ヨーロッパは10月が4.9%増、11月が8.6%減、12月が2.2%減となった。旅行会社の報告では、熟年層が戻りきらないことに加え、冬期が繁忙期となるエジプトの需要減の影響が大きかったという。

 2012年1月から3月の予約状況は、全方面合計で1月は2.6%増、2月は13.0%増、3月は4.2%増となった。ハワイとアジア方面が引き続き好調で、ハワイは円高や航空座席供給量の増加がプラス要因となり、3ヶ月連続で2ケタ増となった。中国を除くアジアの近距離方面は円高が追い風となり増加。とくに韓国が好調で、1月は22.7%増、2月は72.7%増、3月は69.4%増とプラス成長を牽引したほか、台湾や香港/マカオも2月、3月で前年を上回った。タイは洪水の影響が長引き軒並み前年割れだった。

 ヨーロッパは1月が10.8%減、2月が0.9%増、3月が2.6%増だった。JATAによると、燃油サーチャージの上昇で長距離方面が不調となっており、ホルムズ海峡が封鎖されれば原油輸出に影響が出る可能性があることから、旅行会社各社では更なる値上がりを懸念しているという。また、震災による新卒採用の後倒しや厳しい就職環境のなか、卒業旅行の受注が1ヶ月程度遅くなったとの意見もあがった。

 なお、調査は2012年1月初旬に、ジェイティービー(JTB)、近畿日本ツーリスト(KNT)、日本旅行、阪急交通社、エイチ・アイ・エス(HIS)、ジャルパック、ANAセールスの7社に実施したもの。方面別の詳細は下表の通り。