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アクセスランキング、1位はJL新社長、2位はコスタ客船座礁

  • 2012年1月20日

[総評] 今週は、日本航空(JL)の社長交代のニュースが1位になりました。現会長の稲盛和夫氏と現社長の大西賢氏は2010年2月1日の就任以来、経営再建を主導され、今年度は中間期で1000億円超の営業利益を計上して更生計画で掲げる通期目標を上回るなど順調に業績を回復されてきました。

 新社長に内定した植木義晴氏はパイロット出身とのことで、整備士出身の大西氏に続いて、航空輸送の現場をよくご存知の方なのでしょう。安全性、定時性といったサービスの質に対して、思い入れを持って取り組まれるのではないかと思います。また、顧客満足(CS)の実現には従業員満足(ES)が必要とよくいわれますが、その点でも現場を知っていることは強みになりそうです。

 2012年はLCCとの競争など事業環境が大きく変化することが予想されますが、植木氏がどのように舵をとられるか、大きな注目が集まります。旅行業界誌の立場としては、本当の意味で旅行会社とのWIN-WINの関係が構築されるよう望んでやみません。

 例えば、1000億円超の営業利益のうちコミッションカットによる費用圧縮効果がどの程度か知りませんが、その金額分、確実に旅行会社は利益を失ったわけです。以前からコミッションについての議論になると、旅行会社はコミッションに頼らず旅行のプロとしてフィーで儲けるべきだという意見がでますが、確かにその通りではあるものの、個人的には航空会社が旅行会社の流通インフラを使用して対価を支払わなくて良い理由にはならないと考えています。

 燃油サーチャージにしても、旅行会社が手間暇をかけてかなりの額を徴収しているはずですがそれも報われず、運賃が数千円、燃油サーチャージ数万円といった不可解な状況が一向に是正されないのもこうした事情があるのではないかと勘ぐってしまいます。

 「旅行会社は大切なパートナー」という言葉を良く聞きますが、であるならばその大切なパートナーに対してどのように接するのか、どのような共存共栄のあり方を念頭に置いているのか、トラベルビジョンとしても今後はより深く突っ込んだ取材をしていきたいと考えています。

 ところで、今週の2位はコスタクルーズの客船「コスタ・コンコルディア」の座礁に関する記事が入りました。クルーズの魅力の一つである「安全」にこのような形で傷がついてしまったのは残念でなりませんし、この数年、外国船の日本への寄港も増え、少しずつクルーズが市場に浸透しつつあった中で、需要への影響も大いに懸念されます。

 船長の言動などセンセーショナルな報道が続いてしまっていますが、クルーズは本来は安全であり、今後も安全に対する取り組みを続けていくという強い姿勢を消費者に伝えていかなければならないでしょう。

 起きてしまったことはどうしようもありませんし、極端な見方をすれば、「クルーズ」という単語がこれほどまでに注目される機会はなかなかありません。一般メディアが取り上げなくなるまでの間に、船会社を含めて旅行業界全体がどのような対応を取るかで、未来のクルーズ市場の姿が変わるのではないかと感じています。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2012年1月第3週:1月13日0時~1月20日18時)
第1位
日本航空、社長に植木義晴氏-上期路線計画、787でSIN線も(12/01/17)

第2位
コスタ客船座礁、3月まで300名予約の人気コース-影響に懸念(12/01/16)

第3位
2011年の旅行業倒産件数は54件に、震災が影響-震災関連倒産は7件(12/01/15)

第4位
トップインタビュー:大韓航空日本地域本部長 權炳燦氏(12/01/16)

第5位
エアアジアX、インド2路線とパリ、ロンドン線運休へ-日本を重点市場に(12/01/15)

第6位
ANA、国際線座席11.2%増に、北米強化-12年度事業計画(12/01/17)

第7位
全日空、アイベックスとの提携拡大、新規路線と増便でコードシェア(12/01/18)

第8位
マレーシア航空、成田/ロサンゼルス線、3月末に10年ぶり再開(12/01/19)

第9位
2012年海外旅行市場の背景、中長期成長は警鐘も-JTBF旅行動向シンポジウム(12/01/17)

第10位
KNT、12年上期は「大商品改革」、ホリデイは「価値」重視-新商品も(12/01/18)