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ANAセ、海外取扱高3割増めざす-スター各社活用、パンフ刷新も

  • 2012年1月17日

ANAセールス代表取締役社長の稲岡研士氏 ANAセールスは1月19日から、2012年度上期商品の販売を順次開始する。同社代表取締役社長の稲岡研士氏は今年1月8日が同社設立10周年であることに触れ「航空会社も旅行会社も大変厳しい10年を迎えようとしている」が、「(これからの)10年、弊社が生き延びていくために新たなスタートを切っていきたい」と意気込みを述べた。

 海外旅行商品では、スターアライアンス加盟各社を活用した商品を積極的に造成する考えで、新しいデスティネーションも設定した。また、パンフレットも刷新し、旅行会社や消費者にわかりやすく見やすいよう、文字フォントサイズの大型化やページ構成の統一など構成を一新した。

 12年度の取扱高は海外旅行で前年見込み比32%増の330億円、国内旅行で7%増の1900億円、合わせて10%増の2230億円をめざす。稲岡氏は海外旅行について、パンフレット刷新や、新デスティネーション設定の効果に期待を示し「少し背伸びしているところもあるが、理想を高くこの目標でやっていきたい」と意欲を示した。

 海外旅行代金は、燃油サーチャージが高騰している一方で円高メリットもあり、ほぼ前年並みに収まったという。11年度の取扱高は、東日本大震災の影響もあり、前年比1%減の2025億円となる見込み。同社によると、2月、3月の状況はあまり良くないが、1月に入ってから予約が増加しており、今後の間際予約に期待がかかるとした。

 海外旅行商品「ハローツアー」では、取扱人数で前年見込み32%増の14万5000人を目標に設定。従来のラインナップに加え、NHが提携しているスターアライアンス加盟航空会社であるルフトハンザ・ドイツ航空(LH)、ユナイテッド航空(UA)、スカンジナビア航空(SK)、ニュージーランド航空(NZ)や、マイレージで提携しているカタール航空(QR)などを活用した商品を用意した。今後も利用する航空会社を増やし、将来的には利用航空会社の比率をNHとスターアライアンス加盟各社などそれぞれ50%程度としたい考えだ。

 12年度は新デスティネーションとしてモロッコ、ニュージーランド、メキシコを設定し、5年ぶりにケニアを、2年半ぶりにアメリカ、ペルー、ブラジル、アルゼンチンを商品化した。まずは今年、添乗員同行の周遊型ツアーを主軸にした「ANAハローツアー感動の旅」シリーズを新設して展開し、13年度中には海外旅行商品新ブランドを立ち上げる考えだ。

 感動の旅シリーズは全69コースで展開し、取扱人数1万5000名をめざす。添乗員同行の周遊の旅では、参加人数を全てのコースで18名までに制限することで、参加者にきめ細やかなサービスを提供する。昨年開始した海外旅行保険付きコースもさらに拡充した。また、ヨーロッパでは全42コースに世界遺産を組み込み、「スペイン巡礼路の体験ウォーク」など体験型素材も用意。イタリア・フィレンツェの「サバティーニ」での昼食や、ミシュラン星付レストランなどの食事にもこだわったコースを設定した。

 また、海外ダイナミックパッケージ(DP)では、UAやLHを使った商品の拡大をはかる。UAは2011年10月からDPでの利用が可能となっており、LHは4月から利用可能となる。7月から乗り継ぎ都市にも商品を拡大し、ビヨンド需要の取り込みもはかる。欧米中心に約40都市を加え、合計72都市で利用が可能となる予定だ。