「スキーを履きましょう」 長野、北海道で100周年
今年は日本にスキーが伝わって100周年の記念の年。オーストリア・ハンガリー帝国のデオドール・エドラー・フォン・レルヒ少佐が1911年1月12日、新潟県高田町(現在の上越市)の金谷山で、軍事教練としてスキーを指導したのが最初とされる。当地には現在も、金谷山スキー場があり、レルヒさんの像が立つ。
「Mettez les skis」(スキーを履きましょう)。レルヒさんが、こう発して始まった日本でのスキー普及活動。翌年の1912年には長野県や北海道にもスキーは上陸した。
長野県では、高田のスキー講習会から帰県した市川達譲(妙専寺住職、飯山中学校教諭)が、1912年1月に長野県飯山町(現在の飯山市)の飯山城跡で滑走したのが最初と言われる。そのため2011-12スノーシーズンを長野県スキー発祥100周年として、県内スキー場と連携してさまざまなイベントを行う。海外に向けても冬季オリンピック開催地「NAGANO」の発信を強化する。
北海道にもスキーを伝えたのもレルヒさん。1912年2月、レルヒさんは北海道旭川市に赴任。若手将校を中心にスキー指導を行い、4月にはスキー登山で羊蹄山を訪れる。 そのとき、現在の旭ヶ丘公園付近の丘でスキーの公開練習をおこなったのが、ニセコエリアでのスキーの最初となった。
そのニセコも、今シーズンはスキーの節目の年。ニセコひらふスキー場(現ニセコグラン・ヒラフ)に初めてリフトが完成したのが1961年。今シーズンで50周年を迎える。12月10日には、リニューアルされたヒラフゴンドラと新マウンテンセンターのオープンを記念するイベントが行われる。
1シーズン早く100周年を迎えた新潟県では、今シーズンも100周年イヤーズの取り組みとして、スキー復興に力を入れる。これからの100年を見据え、子ども、ファミリーをメーンターゲットに誘客を進める。
昨シーズン好評だった初心者の子ども向けレッスン「レルヒさんスキースクール」を、今シーズンは15のスキー場で37回実施する。
また、新しい取り組みとして初心者の子どもを対象としたレッスン付きモニターツアーを15回程度実施し、スキー人口の拡大を図る計画。
ちなみに新潟では苗場スキー場が12月23日に開業50周年を迎える。
情報提供:トラベルニュース社