韓国、12年もインセンティブ強化-仁川、医療観光に注力

  • 2011年12月7日

韓国観光公社東京支社長の金榮湖氏  韓国観光公社(KTO)は2012年のMICEプロモーション方針として、インセンティブツアーの誘致強化と医療観光の促進をはかる。12月6日に開催した韓国インセンティブツアー説明会で、KTO東京支社長の金榮湖氏は「これから回復が見込まれる団体需要をどう効率的に回復していくか」を課題としてあげ、MICEの促進により団体旅行の誘致をはかる考えを述べた。2011年の日本市場も好調で、日本人訪問者数は過去最高の、前年比10%増の330万人となる見込みだという。

 KTOによると、韓国政府は2012年から15年にかけて、韓国でのMICE開催の支援を強化しており、インセンティブツアー誘致への支援を強化するとともに、テーマパーティーなど団体向けプログラムの多様化を進めていく。また、2012年は「コリア・コンベンション・イヤー」と位置づけ、コンベンションセンターやホテル会議室の使用料の割引などを実施する。さらに、2012年に開催される麗水世界博覧会をフックに団体を誘致する考えで、割引付きの前売り券や団体向け優先入場を設定し、参観促進をはかる。

仁川医療観光財団代表理事の金奉起氏  また、新テーマとして、メディカルエステ体験などの医療観光をあげ、医療観光との連携により、インセンティブツアーを増加したい考えを示した。セミナーでは来日した仁川医療観光財団代表理事の金奉起氏が「円高メリットのある中、日本団体企業に対し、高付加価値のある商品素材として、メディカルツーリズムを提案していきたい」と意欲を示した。

 同財団は仁川氏が医療観光産業育成のため、今年8月に設立したもの。金奉起氏によると、健康診断やメディカルエステなどをアピールすることで、健康や癒しをテーマに、社内満足度や生産性の向上をはかるためのインセンティブを提案していく考えだ。仁川での健康診断は日本よりも費用が安く、予約から実施、結果までの期間も短くてすむことがメリットだという。仁川に医療観光で訪れる旅行者は2011年で約5000人となる見込みだが、これを2014年までに3万人まで拡大したい考えだ。