ペルー、2012年は予算増、クスコ以外の魅力もアピール

  • 2011年11月21日

ペルー政府貿易観光庁マーケット・スペシャリストのロシオ・フロリアン氏 ペルー政府貿易観光庁(PROMPERU JAPON)はこのほど、東京、大阪、福岡の3都市で観光セミナーと商談会を開催した。これに合わせて来日したペルー政府貿易観光庁マーケット・スペシャリストのロシオ・フロリアン氏は、2012年に日本市場向けの予算を30%増額する計画を明かした。

 PROMPERUでは、予算増によってクスコ以外のペルーの魅力も広く周知したい考え。2012年も引き続き旅行博に参加するほか、シニアなどの高所得者をターゲットとして旅行雑誌を通じた広告活動を展開していくという。また、旅行会社とのパートナーシップを重視し、業界関係者の間でも未だ不足しているペルーについての知識や情報提供に努める考え。

 ペルーの渡航者数は2010年は前年比7.4%増の229万9187人で、2011年は9月1日までに124万2662人が訪問。これに対し、日本市場では2010年はクスコで発生した自然災害の影響で23.5%減の3万604人だったが、2011年は9月1日時点で2万2115人が訪れており、1万2521人だった前年同期比で88%増となっている。フロリアン氏は2012年の目標について「まずは4万人を突破した2008年、2009年の水準まで回復させたい」と語った。

マツオ・トモヒコ氏 セミナーではこのほか、クスコに20年間住んでいる現地ガイドのマツオ・トモヒコ氏も登壇し、マチュピチュだけにとどまらないペルーの観光素材を紹介した。マツオ氏は、ペルー旅行で高山病を心配する声もあるとしつつ、「現在利用されている日程でも、クスコを見る前にワンステップおくことで高山病を防ぐことができる」として、旅先の順番が大事だと説明。例えば、マツオ氏はクスコに行く前に、「聖なる谷間」といわれるビルカノタ川沿いの谷間を組み込むことを勧めているという。

 また、高山病は寝ているときにかかりやすいため、宿泊先の高度が重要となるが、高度の低い地域で1泊取ることにより高度順応が進み、クスコや標高が3800メートルを超えるチチカカ湖にも高山病の心配なく行けるようになるとした。標高の低い周辺地域では、石組の美しいピサクや美しい写真が撮れるモライ遺跡など見所も多く、こうした旅行素材を活かして工夫することも可能という。