スイス、11年の日本人宿泊数、6%減予想-12年は増加期待

  • 2011年11月15日

スイス政府観光局CEOのユルグ・シュミット氏  スイス政府観光局からCEOのユルグ・シュミット氏が来日し、都内でセミナーを開催した。シュミット氏は3月に発生した東日本大震災に触れ、震災の影響で「2011年の日本人宿泊数は前年比6%減程度となる見込み」と言及。一方、2012年は、震災後数ヶ月は落ち込んだが次第に回復してきていることから「来年についてはポジティブに捉えている。数も伸びていくだろうし、3%から6%の成長を期待したい」と前向きな姿勢を見せた。

 また、シュミット氏はスイスの冬の魅力を日本人にアピールしていく考えを示した。スイスのピークは冬で、全世界からの訪問者数の52%が冬にスイスを訪問しているが、日本人の場合、82%が夏にスイスを訪れている。シュミット氏は「日本人が夏に来るのはよいことだが、冬の訪問数の増加にもチャレンジしたい」考えで、主な客層であるシニア層に対し、冬のハイキングなどのアクティビティをアピールしていく。冬のハイキングトレイルも整備されており、天気も安定していることから、ハイキングに最適と強調した。

 さらに、シュミット氏は、滞在日数の増加もめざしていく。スイス政府観光局によると日本人の平均宿泊数は1.7泊だが、スイス各地の自然の魅力や「本物のスイス」を伝え、拡大したい考えだ。また、宿泊先についても、4つ星、5つ星の高級ホテルに加え、中級クラスのホテルも打ち出していく。例えばスイスでは各地の建築、文化や食事を提供するホテルを「ティピカリー・スイス・ホテル」として提案。格付けは問わないため、中級クラスのホテルを中心に現在約250軒のホテルが選ばれているという。