トップインタビュー:デルタ航空日本支社長ジェフリー・バーニアー氏

  • 2011年11月14日

-福岡/ホノルル線就航の決め手は何ですか。また、同路線はハワイアン航空も来春の開設を表明していますが、どのように競争に臨む考えでしょうか

バーニアー 福岡/ホノルル線就航を決めたのは、第一に旅行会社や旅行者からの要望が強かったからだ。事前調査の結果も十分な需要を見込めるものだった。DLは、アジア・太平洋地区におけるネットワーク拡大に力を入れている。九州発着の路線への就航を決めた理由には、そうした背景もある。

 我々の最大の強みは、プレミアムエアラインとしての利便性や快適性だ。20億米ドルを投じて進めているプロダクトやサービスの向上計画では、ビジネスクラスへのフルフラットベッドシートの導入やエコノミークラスへのオンデマンド・エンターテインメントの導入を進めてきており、マイレージプログラム「スカイマイル」の充実した内容もDLのアドバンテージといえる。

 日本市場全体についていえば、アメリカ方面やリゾート・デスティネーション路線の運航に関して、日本で最大の航空会社である点も強みだ。スカイチームの存在もアドバンテージとなる。日本のアウトバウンドの主要デスティネーションである韓国や中国、ヨーロッパなどについては、いずれもその方面の最有力航空会社がスカイチームのメンバーに名を連ねている。


-複数の国々とのオープンスカイが実現するなど日本でも規制緩和が進んでいますが、どのように考えていますか。また、今後の路線展開の可能性についてもお聞かせください

バーニアー 日本での仕事を始めた十数年前と比較すると、まさに驚き、ドラマチックな変化というほかない。観光産業の重要さを認識した政府の方針による変化だと思う。ただし、まだ不十分な面もある。たとえば、それぞれの空港が素晴らしくても、空港間の連携ができていおらず、相変わらず空港使用料などコスト面では中国や香港、シンガポールなどと比較して割高なままだ。

 規制緩和とは論点が異なるが、空港をより生かすには鉄道との連携も重要だ。日本の優れた鉄道技術をもってすれば、都心と成田空港を30分で結ぶことはそれほど難しくないはず。そうすれば、より空港を生かせるし海外からの投資も呼び込めるのではないか。

 路線展開については、ここ数年で急速にネットワークを拡大してきたこともあり、来年は新たに路線を増やす具体的な計画は今のところない。少し待つ時期になるかもしれない。重要なことは需要動向を見極め、適切な座席数を供給することだ。