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香港、自然公園「ジオパーク」訴求へ、まずは認知向上から

  • 2011年10月30日

(左から)HKTBマネージャー・東日本の河原靜氏、漁農自然護理署高級地質公園主任の楊家明氏、陳羽嵐氏 香港政府観光局(HKTB)は、今年9月に香港ジオパークがユネスコが支援する世界ジオパーク・ネットワークから「世界ジオパーク」に認定されたことを受け、香港ジオパークセミナーを開催した。ジオパークは地質学的な価値の高さや景観の美しさなど厳しい条件のもと認定される、地質遺産を含む自然公園のこと。現在ヨーロッパとアジアを中心に27ヶ国、87ヶ所が登録されている。香港は西貢東部地区と新界北東部に位置する8つの地質景観区が世界ジオパークとして認定された。

 HKTBマネージャー・東日本の河原靜氏は「まずはジオパークとはなにかを周知することが必須。ハイキングなどと組み合わせてその魅力を知ってもらいたい」と意気込みを示した。リピーターや、教育旅行、シニアのほか、最近増加しているという、登山好きの「山ガール」もターゲットとして考えられるとし、「今後どのように魅力を伝えていき、新しい層を獲得するかが課題」と述べた。

 セミナーでは香港から来日した漁農自然護理署高級地質公園主任の楊家明氏がジオパークの魅力を説明。同氏によると、香港ジオパークは、大都市から小一時間という近さにあるため、都市とのコンビネーションが楽しめることが魅力だという。香港政府は新素材として開発に注力しており、専門ガイドの養成やツアーの品質向上と維持管理を実施。すでにビジターセンターを建設したほか、中国銀行のロビーに地質遺産センターを設置した。ジオパークホテルではジオパークをテーマにしたレストランもあり、見学に加え、食と宿泊と合わせてジオパークを総合的に体験できるのが売りだという。

 また、楊氏は大きな見所の1つとして、西貢のコラム(石柱)をあげた。海上からの見学になるが、その規模の大きさでは「アイルランドの世界遺産ジャイアンツ・コーズウェイをもしのぐ」という。ただし、陸からのアクセスができないため必ずツアーに参加する必要がある点と、特殊知識を有する専門ガイドを雇うとコストがかかるため、富裕層をターゲットに設定しているとした。