現地レポート:タヒチ、ボラボラ島・タハア島の新素材とタヒチ島の魅力探究
タヒチ、新素材とリゾートの魅力探究の旅
テーマや客層拡大の可能性も
若い女性層向け素材探究
タヒチ島を掘り下げて
タヒチ観光局が新たにターゲットとして目しているのは、若い女性層とシニア。特に結婚前の女性にタヒチならではの魅力を感じてもらい、ハネムーンへの期待を高めてもらえれば理想的だ。そのためには料金的にも手ごろなタヒチ島、モーレア島のプランにユニークなアクティビティを加えるのがよさそうだ。
タヒチではポリネシア文化が今も色濃く残っており、今でも日常的に伝統文化を重んじた生活をしている人が多い。なかでもタヒチアンダンスは冠婚葬祭などの行事の際には必ず踊る機会があるといい、誰でもそれなりに踊れるのだという。厳しい子弟制度もなく、気に入った先生に気軽にダンスを習うことができる。オペレーターに相談すればすぐに受け入れてくれるダンスグループが見つかるだろう。
また、各所に「マラエ」と呼ばれる古い祭壇があり、ダンスを踊る前にその成功を祈る場所としてお参りをしている。ダンスだけでなくさまざまな祈願が寄せられるそうで、なかには恋愛成就や子宝を願う人もいるとか。タヒチの人々のちょっとした「パワースポット」である。
このほか、現地の日本語ガイドのヨウコさんによると、高いところから流れ落ちる滝もパワーの源としてタヒチの人々が好んで訪れる場所のひとつ。古代タヒチアンの自然信仰が今に残っているのである。2000メートル級の山がそびえるタヒチ島ではいくつかの滝があり、本格的なトレッキング装備がなくては行けないところもあるが、車で近くまで立ち寄れるところもあるという。こうしたタヒチアンの精神に触れることができるアクティビティは派手さはないが、タヒチの魅力をじんわりと感じることができるのでおすすめだ。
タヒチ島は、帰国便にトランジットするため、ツアー最終日のみの滞在が多いが、じっくり滞在してタヒチらしさを楽しむために訪れたい場所である。既存のアクティビティだけに頼らず、現地の文化に詳しいオペレーターに相談すれば、まだまだ深いタヒチがある。タヒチ島でのユニークなアクティビティを、ぜひ掘り下げてほしい。
取材:岩佐史絵