バンコク、渡航情報引き上げ-24日現在、市内への影響限定的
外務省は10月24日、バンコクの渡航情報を「十分注意してください」から「渡航の是非を検討してください」に引き上げた。21日の時点で、バンコク都内の東側7区(ノンジョーグ、バンケーン、ミンブリ、ラッカバン、サーイマイ、カンナヤーオ、クローンサムワー)と、ドンムアン区の運河沿いおよびラクシー区の運河沿いについて「渡航の是非を検討してください」を発出していたが、23日の時点でチャオプラヤー川と一部の運河沿いに洪水の被害が拡大し、これらの地域の一部で冠水も発生したことを受け、全体の引き上げを決めた。
今回の引き上げにより、スリン県の一部(パノム・ドン・ラック郡及びガープ・チューン郡のカンボジアとの国境地域)が「十分注意してください」である以外は、「渡航の是非を検討してください」となった。大手各社は外務省の渡航情報を募集型企画旅行の催行可否の基準としており、バンコクやアユタヤを含むツアーの催行を中止することとなる。
▽24日の市内観光は通常催行
タイ国政府観光庁(TAT)や現地オペレーターなどでは、24日現在の情報としてウェブサイトなどでバンコクの中心部各地の写真をアップロードするなど、詳細な情報の発信に努めている。
これらの情報を集約すると、スワンナプーム国際空港は通常通り運営しており、空港内の全施設、空港へのアクセスともに問題ない状態。また、チェンマイ、プーケット、サムイ、ハジャイ、ウドンタニを含むすべての国内・国際空港が利用可能。チェンマイ、チェンライ、ランパーン、スコータイ、カンチャナブリー、ラーチャブリー、パタヤ、チャーン島、ラヨーン、プーケット、クラビ、トラン、サムイ島も平常通りの観光が可能。TATではこうした地域への移動について、パタヤやラヨーンなど東部方面以外は空路を勧めている。
また、バンコクについては、ドンムアンやサイマーイ、バンケーン、チャトゥチャック、バンスー、ラクシーの全域ないし一部地域で浸水の可能性があるといい、ドンムアンやサイマーイではすでに冠水が確認されはじめているものの、これらは通常の観光客は滞在しないエリア。ただし、パホンヨーティン通り北エリア、ウィパワーディー・ランシット通り北エリアは道路の一部が冠水しているという。
一方、シーロム通りなどのビジネス街や、ホテルが集中するスクンビット通りのエリアなどでは洪水の影響は出ておらず、こうした地域では治水システムにより排水が管理されているとしている。サイアム、プラトゥーナム、ラマ4世地区、リバーサイド地区も特に問題はなく、王宮地区も時間帯により若干水があふれるが引き直しているという。
24日午前10時現在の情報では、BTSとMRTAは平常運行。市内道路に冠水は発生しておらず、通行禁止区域もない。ホテルは平常通り営業し、オペレーター各社も24日は、バンコク市内観光やダムヌンサドアク水上市場、パタヤなどのツアーを通常催行。バンコク周辺のゴルフ場も、アクセスが困難な場合もあるものの10コース以上でプレイが可能とした。
また、水道や電気、インターネット、電話などのライフラインには異常がなく、保存食や薬、生理用品の買い占めが報道されているが限定的だ。
※いずれも日本時間10月24日21時45分までの情報