VWC下期活動計画策定、需要喚起キャンペーンや地方活性化の取組も
日本旅行業協会(JATA)は10月12日に第8回VWC推進特別委員会を開催し、ビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)の2011年度上期活動報告と下期活動計画について承認した。JATAVWC2000万人推進室室長の澤邊宏氏は、7月に日本人出国者数が5ヶ月ぶりに前年を上回ったことから、「(海外旅行需要が回復しつつある)こうした勢いを下期も継続していきたい」と話し、重点デスティネーション、関西中部地区と地方活性化、ダイレクト・マーケティングの3本柱に市場開発を加えた取り組みに意欲を示した。
重点デスティネーション戦略では、研修旅行や実務セミナーなどを開催し、地方活性化戦略では各支部と連携しながら地方開催の海外旅行イベント支援などに取り組む。今月末の北海道、来年1月の中四国といった各地での海外旅行フェアなども支援する。このほか、地方セミナーの開催やパスポート取得キャンペーン支援などもおこなう。ダイレクト・マーケティングとメディア戦略では、成田空港と連携した冬旅、春旅キャンペーンを展開することで海外旅行需要を取り込むねらいだ。
澤邊氏は2011年10月以降下期の海外旅行需要について、震災以降も伸びているアジアについては消費者の安近短志向の強さなどから「心配していない」ものの、ヨーロッパについては、震災後、パスポートの発給件数が減少するなどした熟年層や小グループの回復が鍵になると分析。第8回VWC推進特別委員会でも、熟年層向けのプロモーションを展開する意向を示す旅行会社もあったという。また、イギリスツアーの人気が出ており、値頃感のある北欧ツアーなどをホールセールが企画していることもあり、「個人的には前年並みに戻ってくると思っている」(澤邊氏)と述べた。
なお、 上期は震災後の4月15日に発信した「JATA宣言」を軸に、5月から6月にかけて「日本を元気に、旅で笑顔に」をテーマとしたアクションプランを実践。全国主要駅でのポスター掲示や長期休暇取得プロモーションのほか、日本政府観光局(JNTO)と共同で「日本から“ありがとう”」キャンペーンなどを実施した。また、5月から7月にかけてはVWC主要10ヶ国を訪問し、観光会議や地元旅行業界、メディアと会合したり研修団を派遣するなどし、日本の現状について紹介した。