カナダ、ショーケースを釜山で開催、来年は地方需要拡大への取り組みも
(釜山発:本誌 栗本奈央子) カナダ観光局(CTC)は10月12日、ショーケース・カナダ2011を韓国・釜山で開幕し、10月19日に日本の旅行業界を対象とした商談会を開始した。ショーケース・カナダは日本、中国、韓国、インドの旅行業界向けに開催地を変えて実施しているもので、今年は日本から旅行会社、オペレーターなど34社40名のバイヤーが参加。セラーは80社142名で新たに14社が参入し、昨年の86名から大幅に増加した。
CTC副社長のチャールズ・マッキー氏は「震災で日本人訪問者数は減少したが、日本市場のポテンシャルは高い。引き続きカナダにとって重要なマーケットだ」と、改めて日本市場を重視していく姿勢を示した。震災の影響で「日本市場はとても弱い」状況にあったが、徐々に回復してきているという。CTCによると、1月から6月までの日本人訪問者数は前年比18%減、7月までは16%減、8月までは14%減と減少幅は縮小しており、8月単月では9%減となった。CTC日本地区代表のモリーン・ライリー氏によると、今年の目標は30万人だが、昨年の約23万5000人並みか5%減程度に落ち着く見込みだという。
こうした状況の中、CTCでは来年も旅行業界やメディアに対する活動を重視していく考え。また、来年はチーム・カナダにユーコン準州とノースウェスト・テリトリーズ準州観光局も加わり、6つの観光局での共同プロモーションとして活動を継続していく。ライリー氏によると来年度の予算は現在検討中だが、「今年よりも減額することは考えていない」と述べた。
来年は関西地域をはじめとした地方需要の拡大、学生の教育旅行やインセンティブツアーの増加もはかる考え。マッキ―氏は「航空座席数から考えると、大型インセンティブは難しい」とし、200人から250人規模の団体の誘致に注力する考えを示した。さらに、FIT市場の拡大やロングステイ需要の取り込みもはかる。
また、QRコードを活用し、カナダ各地のアクティビティを紹介する「シグネチャー・エクスペリエンス・コレクション」を継続してプロモーションしていく考え。現在ウェブサイトは英語のみで68アクティビティを紹介しているが、11月末には日本語版がオープンする予定。ライリー氏は「デスティネーションだけでなく、そこでできる『体験』に焦点を当ててアピールしていきたい」と意気込みを語った。まずはカルガリー・スタンピードや、犬ぞりでオーロラを見に行くツアーなど、日本人のニーズに合った15のアクティビティを紹介し、徐々に掲載件数を増やしていく考えだ。
なお、来年のショーケース・カナダは大阪で2012年10月15日から開催する予定だ。