Marriott Bonvoy

ハワイ州知事、良質な体験提供を重視-空港改善で旅行業界の懸念解消へ

  • 2011年10月12日

ハワイ州知事の二―ル・アバクロンビー氏  ハワイ州知事の二ール・アバクロンビー氏が来日し、旅行業界メディア向けの記者会見で、訪問者数の増加よりも各客層にあったマーケティングを重視する考えを示した。日本からハワイの訪問者数はこの数年、大きな伸張がないが「旅行者数は市場の成熟度と人口動態に反映されるもの」と述べ、「訪問者数は心配していない。現在の市場ニーズにこたえる対応をすれば数字はついてくる」と強調。そのためには所得層別やファーストタイマー、リピーターなど客層それぞれに大きな満足をしてもらうことが必要とし、良質な体験を提供することに注力していく考えだ。

 また、記者会見では州内空港施設の改善を実施することを説明。3億米ドルの歳入債を発行し、予算にあてる。特にホノルル空港を中心に、タイルやコンクリートなど古くなっているフローリングやキャノピー、下水、エアコンなどの改修のほか、施設内ゲートシステムの再整備、バゲージハンドリングの改善もはかる。

 アバクロンビー氏は「見栄えがするものではないが現実的」とし、「長時間のフライトの後、空港内が明るく、良い印象を与えることができれば、ハワイ滞在が楽しいものになるという期待感につながる」とアピール。空港の改善は「日本の旅行業界が長く懸念していた事柄」との認識を示し、具体的な項目を一つずつ解決する形で対処していくことを強調した。今回の来日では、ミーティングやレセプションで航空会社や旅行会社にも空港設備の改善に着手したことを説明し、評価を得られたという。各改善は同時進行で開始し「できるだけ早く実施していく」考えだ。

 このほか日本とハワイの関係について、ビジネスだけでなく移民など歴史に基づいた「世界的にもきわめてユニーク」なものと言及。「パートナーシップ、協調関係で利益が得られるよう、再活性化をしていきたい」と新たな関係構築をはかる意欲を示した。

 なお、アバクロンビー氏は会見の冒頭、東日本大震災について「同じ『島』の人として我がことのように受け止めた」と、ハワイ住民の日本への思いを言及。震災後に支援を示す声明と親書を日本総領事に送付し、今回の来日中にもハワイのコミットメントを示すものとして関係者に配布したことを説明した。