エジプト、デモ発生もツアー影響なし-MS復便延期、早期復活に期待も
外務省によると、10月9日にカイロ中心部タハリール広場近くの国営テレビ局付近で、コプト教徒の待遇改善を求めるデモ隊と治安部隊との間で衝突事件が発生し、25名の死者、300名以上の負傷者が生じた。同省では、外出時には身分証明証を携行し、単独行動は避け、タハリール広場を含む国内各地の政治集会に用いられる場所や宗教施設、政府関連機関、国営テレビ局などや大勢の人が集まる公共の場所については不要の場合は近づかないよう呼びかけている。また、カイロの渡航情報は、引き続き「渡航の是非を検討して下さい」とした。
大手旅行会社各社への取材によると、観光にはほとんど影響があらわれていない様子だ。クラブツーリズムによると、ツアーはキャンセルも特になく予定通り催行する考え。ただし、カイロ市内については現地情報を確認のもと、ルートを変更する可能性もあるとした。また、エイチ・アイ・エス(HIS)も、添乗員同行ツアーを展開しているが、通常通り催行する。阪急交通社は次回のが11月以降で、通常通り催行していくという。10月からエジプトツアーを再開しているグローバルユースビューローも、現行通りツアーを催行していく考え。10月中のツアーは満席だったという。
エジプトへのツアーは、現在カタール航空(QR)やエティハド航空(EY)などでの移動がメイン。日本/エジプト間の直行便運航再開を発表していたエジプト航空(MS)は、9月下旬に再開延期を決定していた。当初は11月19日から再開する計画だったが、MSによると、需要や採算性を考え、本社で多角的に検討した結果、延期することになった。今後再開の見通しは現時点では不明だ。
大手旅行会社各社によると、MSを利用したツアーを造成する動きはあったものの、ほとんどが販売開始以前に延期の連絡を受けたことで、消費者への対応は特に発生していないという。ただし、クラブツーリズムではすでにツアーを造成しており、行程の変更や消費者への連絡対応などを現在実施中だ。旅行会社からは「デモよりもMS延期の連絡のほうが影響は大きい」とし、エジプトの繁忙期である下期中の再開を希望する声や、早期再開を望む声もあがった。
▽訂正案内(2011年10月13日17時05分)
訂正箇所:第1段落第3文
訂正前:首都カイロを含むシナイ半島や上記地域以外のエジプト全土についての渡航情報は、
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訂正後:カイロの渡航情報は、