アクセスランキング、1位はAY戦略、B787や旅博も

  • 2011年10月7日

[総評] 今週は、フィンエアー(AY)の経営戦略をお伝えした記事が1位になりました。同社はアジアと欧州をつなぐ戦略で成長を続けており、今年の夏スケジュールは東名阪に週21便を運航するなど、日本でも大きな存在感を示しています。聞くところによると、今年と昨年の8月には日本市場の売上がフィンランド本国を上回ったそうで、同社にとっても日本は大きな位置を占めているといえます。先ごろには日本航空(JL)とブリティッシュ・エアウェイズ(BA)のジョイントベンチャーについて報じましたが、「積極的に役割を果たしたい」というAYがどのような影響を与えるか、まったく目が離せません。

 今週はまた、全日空(NH)のB787型機のプロダクトを写真で紹介した記事もランクインしました。記事の順位は6位ですが、実際のフォトニュースへのアクセス数を加えますと、こちらがAYをおさえて1位になります。「ドリームライナー」という名前からしてワクワクしますし、一般の方々を含めてどのような飛行機か興味を持たれていたのではないかと思います。

 取材した際の感想を率直に書きますと、やはり「小さい」というのが第一印象でした。「狭い」ではなく「小さい」です。空間という意味では、化粧室も贅沢なスペースの使い方をしていますし、バーカウンターも広々としていますから、非常に快適そうな印象を受けます。しかし、機体の大きさでは、短距離国際線の座席数が180席、長距離国際線に至っては112席のみで、改めて旅行会社にとっては「痛し痒し」な機材だと感じました。

 このほか、今週は「JATA国際観光フォーラム・旅博2011」関連のニュースもいくつかランクインしました。海外旅行業界にとっては1年を通じて最大のイベントですし、注目度も高かったのでしょう。3位の記事については、先週の当欄でお伝えした通りの事情があったため個人的には記事の出来にも満足できていませんが、JATA金井耿会長の「なにがなんでも人材育成に取り組まなければ」という切迫感のあるメッセージはお伝えできたのではないかと思います。

 人材育成の重要性は今さら指摘するまでもありませんし、その根拠も金井会長の語られた通りです。旅行業界全体とは言いませんが、旅行会社としての価値を提供できる人材を育成できなければ、多くの会社が「崖」から落ちていってしまうはずです。

 金井会長を含め旅行業界がこれから求められるのは、「いかにそれを実行するか」でしょう。年に一度の大舞台でその重要性を訴えられた金井会長には、是非とも強いリーダーシップをもって業界を牽引し、取り組みを具体化していただきたいと期待しています。また、トラベルビジョンとしてもこれまで以上に、すでに価値を提供できている人、人材育成に取り組もうとする、あるいはすでにしている会社に焦点を当て、取り組みのお手伝いをしていきたいと考えています。

 なお、旅博は3日間で延べ11万7236人が来場し、過去最多を記録したそうです。実際に会場にいても、例年以上に熱気があったように感じました。国内のブースも最初は不思議な違和感を覚えましたが大いに賑わっていましたし、考えてみれば旅行の本質が「どこに行くか」から「何をするか」に変化しているとされる現在、消費者からすれば海外と国内が区別される意味はさほどないのかもしれません。

 全国各地のゆるキャラや鎌倉市のブースでの座禅体験など、これまでの旅博では考えもしなかったようなブースや展示が多々ありましたし、海外からの出展者にも良い刺激になったのではないかと思います。来年も多数の国内ブースが出展され、海外ブースもさらに充実し、今年を上回る来場者数が集まって欲しいと願っています。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2011年10月第2週:10月2日0時~10月7日18時)
第1位
フィンエアー、アジア線倍増へ-ジョイントベンチャーも意欲(11/10/04)

第2位
AF/KL、冬期の座席供給量は3.4%増、成田はB777のみ(11/10/03)

第3位
業界トップが語る「震災、現在、未来」-JATAシンポジウムから(11/10/05)

第4位
全日空、B787の羽田/フランクフルト線は1月21日就航、深夜1時発(11/10/05)

第5位
ピーチ、ユニフォーム披露-低運賃と日本品質を改めてアピール(11/10/02)

第6位
「B787」を写真で紹介、機内は新技術盛りだくさん(11/10/03)

第7位
ツアーオブザイヤー、国交相賞は日旅の女性チーム企画・週末トラベラーに(11/10/03)

第8位
TK新支社長、中部就航に意欲、早ければ来年にも(11/10/05)

第9位
BtoBの「新IT運賃」を-JATAシンポ、チャーターやLCCも議論(11/10/02)

第10位
沖縄数次ビザ、3ヶ月で約4400件発給、座席増の効果も(11/10/04)