韓国、インセンティブ強化、11年の日本人325万人めざし

  • 2011年10月2日

KTO東京支社長の金榮湖氏  韓国観光公社(KTO)は、インセンティブツアーの誘致に注力し、2011年の日本人訪問者総数で過去最高の325万人をめざす考えだ。9月28日に開催したインセンティブ説明会で、KTO東京支社長の金榮湖氏は、「インセンティブ団体でも間際化が早いスピードで進行している」と指摘。東日本大震災で落ち込んだインセンティブ団体が10月から回復傾向にあるなか、今後の団体の取り込み次第では、年間の日本人訪問者数が「(過去最高の)325万人超えの可能性もある」と期待を示し、参加者にインセンティブ誘致の強化を訴えた。

 同氏によると、2011年1月から9月の日本人訪問者数は前年比約5%増の約232万人であり、このままのペースが続けば今年は過去最高の320万人になるとの見通しだ。震災の影響で5月までは9%減で推移していたが、7月以降はパッケージツアーやFITが円高ウォン安もあって好調で、7月、8月、9月で25%以上の伸びを見せたという。10月以降は「インセンティブが韓国の成長をけん引していくのでは」と期待を示した。

 また、日本からのインセンティブツアーの傾向として、団体の少人数化と予約の間際化をあげた。以前は1000名規模の団体もあったが、現在は50名規模の団体が主で、予約についても、旅行会社によっては出発日まで1ヶ月を切ってから入るケースが全体の1割以上を占めているという。

 こうしたなか、金氏は「組織や団体に合わせたオーダーメード型のプログラムが求められている」と指摘。なかでも参加者の共通意識を高め、コミュニケーションの機会を創出する体験型プログラムやチームビルディングが求められる傾向にあるという。金氏は、韓国で国をあげて推進しているメディカルツーリズムを「韓国ならではの差別化されたプログラムではないか」とアピール。ツアー参加者の自由行動時間にも活用でき、男女問わず楽しめるメディカルエステ体験などを素材として紹介した。

 このほか、セミナーでは日本全国29空港から渡航可能というアクセスの良さや、団体向けの素材として産業施設の見学や、キムチ作りやテンプルステイなど体験型アクティビティの豊富さなどもアピール。さらに、セミナーではKTOのサポート体制も紹介した。KTOと韓国の各地方自治体と連携のもと、引き続き現地調査への支援や団体の規模に応じた文化公演イベントや観光ツアープログラムの提供、パンフレットやDVD、記念品の贈呈も実施し、総合的にサポートしていく考えだ。