国交省交政審、観光立国推進基本計画の見直し議論-旅の質の向上目標に

  • 2011年9月15日

国土交通副大臣の奥田建氏  国土交通省交通政策審議会観光分科会は9月15日、第16回会議を開催し、観光立国推進基本計画の見直しをテーマに議論を実施した。会議の冒頭で、国土交通副大臣の奥田建氏は「順調に進展していた観光分野も震災や円高で大きなダメージを受けている」とし、「被災地の復興ももちろんだが、日本の成長戦略の一翼を担う観光産業、30兆円弱の、5%のGDPを担うと言われている観光の躍進に皆様のご知恵をいただければ」と参加者に呼びかけた。

 観光庁総務課によると、会議では観光立国推進基本計画の目標について改めて確認。訪日外客数、日本人の海外旅行者数、国内における観光旅行消費額、日本人の国内観光旅行における1人あたりの宿泊数、日本国内の国際会議の開催件数、という5つの基本的な目標は引き続き設定する方針を固めた。

 さらに、今回から新たに訪日外国人の満足度や、国内観光地の旅行者満足度についても基本目標に含み、旅行の質の向上もはかる。具体的な数値目標や目標達成に至るための施策などについては、11月中に実施する次回会議で検討する予定だ。

 また、会議では若年層を中心とした「旅行0回層」への旅行需要喚起についても話し合われ、若者層にはただ異文化に触れるのではなく、ボランティアなどの社会的意義や自分を高めるための学習など、目的意識が明確な旅行が今後ありうるのでは、という意見があがった。また、東日本大震災による国内旅行についても、家族の絆の高まりによる家族旅行の増加、滞在日数の長期化といった傾向があり、こうした流れを捉えていく必要があるとの意見も出されたという。