インタビュー:英国政府観光庁ディレクター パトリシア・イエーツ氏
オリンピックで旅行先としての認知向上を期待
本当の効果は開催後-旅行業界との協力不可欠
4月のロイヤルウェディングが日本でも注目を集めたイギリス。来年7月にはロンドン・オリンピックも開幕する。英国政府観光庁ディレクターとして全体的な戦略やコミュニケーション部門を担当するパトリシア・イエーツ氏によると、オリンピックのテレビ観戦者は40億人と見込まれ、デスティネーションとして注目が高まることにも期待がかかる。一方で、今年8月に発生した暴動の話題はセンセーショナルな映像で世界中を駆け巡り、ネガティブな印象をもたらした。こうした現状において、英国政府観光庁はどのようにプロモーションを展開するのか、イエーツ氏に聞いた。
-まず、オリンピックに対する期待をお聞かせください
パトリシア・イエーツ氏(以下、敬称略) オリンピックを開催国としてホストすることは、英国政府観光庁にとっては世界中でイギリス旅行への興味を喚起し、魅力を広く知っていただける機会であり、ツーリズムの成長をテコ入れするものです。
オリンピックの効果としては、期間中の訪英旅行者数は通常時よりも60万人多くなると考えています。しかし、テレビでオリンピックを観戦すると見込まれる人数は実に40億人です。我々としては、これらの人々にイギリス旅行の魅力を伝え、実際に来ていただけるように旅行業界と協力していくことがより重要になります。観光産業にとって、オリンピックの本当の効果はオリンピック以降にあるのです。
来年はオリンピックだけではなく、エリザベス女王が6月に即位60周年を迎える「ダイヤモンド・ジュビリー」の年でもありますから、昨年のロイヤルウェディングからオリンピックまで大きな注目を集めると期待しています。