主要58社、7月の海外旅行取扱額は1.9%減-1桁減まで回復
観光庁が取りまとめた主要旅行会社58社の2011年7月の旅行取扱状況速報で、海外旅行取扱額は前年比1.9%減の1933億203万1000円となった。3月の東日本大震災発生以降、5ヶ月連続で減少しているものの、減少幅が初めて1桁台にまで回復した。
観光庁では、一部の旅行会社で円高が大きく作用し、近場の台湾や韓国などアジア方面を中心に回復基調にあると分析。また、震災で延期となったインセンティブなどが催行されはじめている可能性もある。海外旅行の募集型企画旅行の取扱状況は、取扱額が3.5%減の615億2172万1000円、取扱人数が6.7%減の34万7473人であった。
会社別の取扱額では、ジェイティービー(JTB)グループ14社が1.3%減の407億8118万2000円でトップ。次いで、エイチ・アイ・エス(HIS)が7.1%増の279億9340万6000円、阪急交通社が11.7%増の224億748万円と続いた。一方、伸び率で見ると南海国際旅行が39.2%増とトップだった。伸び率の上位20社のうち、北海道旅客鉄道(29.1%増)、九州旅客鉄道(29.1%増)、名鉄観光サービス(11.5%増)、東武トラベル(6.2%増)、西鉄旅行(3.7%増)といった鉄道系旅行会社のほか、日新航空サービス(14.7%増)や、阪急阪神ビジネストラベル(11.5%増)、JTB法人東京(9.6%増)、エヌオーイー(6.0%増)などの業務渡航系旅行会社が目立っている。
外国人旅行は訪日団体ツアーが再開しているものの、原発事故のほか、円高の影響も受けており、取扱額は28.5%減の37億5188万1000円であった。募集型企画旅行は64.3%減の1億7503万8000円で、取扱人数は63.3%減の7380人となった。国内旅行は、取扱額が7.6%減の3360億7438万8000円で、全体的に回復基調にあるが5ヶ月連続で前年を下回っている。募集型企画旅行は、5.3%減の857億2799万6000円で、取扱人数は6.3%減の311万5021人であった。
▽主要旅行会社取扱概況
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