マンダリン、需要の回復顕著-新ホテル展開計画も
マンダリン・オリエンタル・ホテル・グループ取締役セールス&マーケティング統括本部長のマイケル・ホブソン氏は9月5日、業界誌の取材に応じ、アウトバウンド/インバウンドともに需要が堅調に回復していることを説明した。震災の影響は、アウトバウンドでは「多少はあったものの予想よりはるかに良く、円高も奏功しこの1、2ヶ月は前年を上回っている」状況。完全な回復にはもうしばらく時間がかかるとの見方を示しつつ、見通しは明るいとした。
また、マンダリン・オリエンタル東京へのインバウンドも「震災直後は特に業務渡航需要が激減したが、現在は大幅に戻ってきている」ところ。加えて、マンダリン・オリエンタル東京では日本人宿泊客が好調で、上半期の累計でも前年を上回っているという。
ホブソン氏は、こうした現状を紹介した上で、「日本は我々にとって引き続きカギとなる市場」とし、「震災後も日本市場での戦略はほとんど変更していない」と明言。今回の来日も、各ホテルから総支配人らが集まるロードショーに合わせたものという。戦略の変更点は、特にマンダリン・オリエンタル東京について、近隣諸国や日本国内でのセールスやマーケティングを強化している程度という。
▽グループの成長は規模より質重視、京都は「魅力的」
現在、マンダリン・オリエンタル・ホテル・グループは27軒のホテルを構えているが、新ホテルの開業に向けた準備を進めているところ。現時点では、パリやミラノ、モスクワ、アブダビ、ドーハ、北京、上海、広州、台北で計画を進めている。
ホブソン氏は今後の展開方針について「我々は最大ではなく最高をめざしている」と語り、品質を保つために急激な拡大はしないと説明。一方で、「(世界的に)高級ホテルは供給過多ではない」との見方を示し、着実に成長をめざす方針を示した。
なお、日本での2軒目については確定した計画はなく、実現するとしても「まだまだ先」であるものの、需要の高さやアクセスの利便性といった判断基準からすると「京都は我々に適した都市だと思う」と語った。