アクセスランキング、JTBのインド子会社設立が1位、航空系も注目記事集まる
[総評] 1週間のお休みを挟んでの総評ですが、皆様はどのように過ごされたでしょうか?どちらかに旅行された方もいれば、忙しくそれどころではなかった方もいらっしゃるでしょう。私は、16日から20日までブリティッシュエアウェイズ(BA)の取材でロンドンにお邪魔しました。
ちょうど暴動が大きく報じられた後であったため、どのような状況かと想像をめぐらせていましたが、実際のところロンドン中心部では痕跡すら見つけられませんでした。東日本大震災の発生当初、日本全体が壊滅的な被害を受けたような印象があったとしても実際にはそんなことはなかった、ということと同じような話なのだと思います。
メディアで働く人間がいうのもおかしな話ですが、こうしたケースでは、メディアの表現を鵜呑みせず冷静に情報を集めることのみが、唯一正確な判断を下せる方法です。そのきっかけとして、ニュースメディアを使っていただければ良いのだと思います。私自身も、先ほど震災の例えを出しましたが、あの経験をし、そして本当は通常通り観光が可能であるのに理解してもらえない悲しさ、辛さを理解したわけですから、是非とも今後は我が身に置き換えて、まず冷静な情報収集を心がけたいと思います。
さて、今週のアクセスランキングは、ジェイティービー(JTB)がインドに子会社を設立する内容の記事が1位になりました。JTBは2008年からトーマスクック・インディアと提携してインドでの事業展開をはかっていましたが、自社での取り組みを選択したことになります。インドや中国はいわゆるBRICs諸国で、国際観光の分野でも世界中から熱い視線を浴びているところです。グローバル戦略として各国で現地での「受け」と「送客」を双方向に取り組もうとするJTBが、日本のみならず世界各国の旅行関係企業との競争にインドでどう臨むか、非常に興味深いところです。
2位以下を見ますと、2位と7位の「LCC」、4位の「共同事業」、5位の「燃油サーチャージ」と、昨今の航空業界を象徴するような話題が多く入っています。2位のジェットスター・ジャパンは「やはり来たか」という印象ですが、JLと全日空(NH)が揃って取り組みを始めることで、本格的な「LCC時代」が到来することはまず間違いなくなったと思われます。これまでも総評で触れてきた通り、旅行会社は早急な対応を迫られることになるはずです。一方、ブリティッシュエアウェイズ(BA)の共同事業については、BA側の強い要望に対して、エールフランス航空(AF)との関係もあるJLがどう応じるかが焦点になりそうです。
そして燃油サーチャージの値下げですが、これは何より歓迎すべきニュースでしょう。今週は、ランクインはしませんでしたが、7月の出国者数が5ヶ月ぶりにプラス成長に転じたニュースも入っており(リンク)、燃油サーチャージの値下げによってさらに海外旅行需要に弾みが付いてほしいところです。個人的には、震災直後はまさかこんなに早く需要が回復するとは思えませんでしたが、それだけ海外旅行が日本人にとって重要なものであるという証でしょう。業界全体で需要を喚起し、掘り起こし、送客していくことで、財団法人日本交通公社が先日発表した2011年の日本人出国者数の予想値、前年比2.3%減の1625万人を超えていければと願っています。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2011年8月第3週:8月15日0時~8月26日18時)
第1位
◆JTB、インドに旅行会社設立-日系企業向けに事業展開、インド発アウトも(11/08/25)
第2位
◆ジェットスター・ジャパン、JLとすみ分け、新需要創出へ-成田と関空拠点に(11/08/16)
◆JL、カンタス、三菱商事がLCC設立-ジェットスター・ジャパン、12年就航へ(11/08/16)
◆カンタス、アジア強化鮮明、プレミアム航空会社設立-国際線新戦略の一環で(11/08/21)
第3位
◆全日空、下期の路線計画変更、中部/香港開設へ(11/08/24)
◆全日空、羽田/フランクフルト線開設、B787で(11/08/23)
第4位
◆BA、日本航空との共同事業に意欲、東京2路線「今後も飛び続ける」(11/08/18)
第5位
◆日本航空と全日空、サーチャージ値下げ-10月1日発券分から(11/08/21)
第6位
◆「勝負画像」が海外旅行を決める-エイビーロード海外旅行セミナー(11/08/23)
第7位
◆ピーチ、関空/新千歳、福岡線の運航計画発表-12年3月1日から(11/08/23)
第8位
◆全日空、秋に各種サービス刷新、国際線25周年や国内線羽田ラウンジ改装など(11/08/22)
第9位
◆トップインタビュー:ミキ・ツーリスト代表取締役社長 檀原徹典氏(11/08/22)
第10位
◆お盆の国際線需要、アジアが間際で強い伸び、JALとANA、利用率が9割超(11/08/22)