日本旅行、11年12月期中間は営業損失26億円-通期予想も下方修正

  • 2011年8月28日

リニューアルオープンした日本旅行の旗艦店、900平方メートルの広さをほこるTiS大阪支店 日本旅行の2011年12月期中間連結業績(2011年1月1日~6月30日)は、3月11日に発生した東日本大震災や福島原発事故などの影響を受け、営業収益は前年比11.0%減の199億4600万円(前年:224億2200万円)、本業である旅行業の儲けをあらわす営業損益は26億1800万円(前年:18億700万円の赤字)の赤字となった。また、経常損益は21億3700万円の赤字(前年:13億7300万円の赤字)、当期純損益は25億9200万円の赤字(前年:18億6800万円の赤字)であった。

 日本旅行によると、震災後、企業の生産活動は回復し、個人消費も下げ止まりつつあるものの、震災や原発事故により国内、海外、インバウンドともに多数のキャンセルや受注停滞が発生し、全体としては厳しい状況が続いているという。

 法人営業については、3月1日に法人営業統括本部を設置し、その傘下に国際旅行事業本部、教育旅行部、BTM営業部を新設し、MICE営業部との連携を強化した。個人旅行営業については、本社にICT・個人旅行営業統括本部を設置。赤い風船では九州新幹線の全線開通を契機としたJR商品の販売拡大をはかったほか、マッハ・ベストツアーでは、ヨーロッパ方面でキャンペーンを展開。

 このほか、震災後インターネット販売が堅調であったことから、予約の間際化に対応したwebコレクションやタイムセールといったネット専用商品を拡充した。このほか、店頭ではヨーロッパデスクの設置拡大と、旗艦店のTiS大阪支店を大阪ステーションシティの開業にあわせてリニューアルするなどした。

 なお、日本旅行単体では、販売高が8.5%減の1522億5400万円、営業収益が11.4%減の168億2600万円、営業損失は16億8400万円、経常損失は12億9200万円、純損失は17億4200万円となった。このうち、海外旅行販売高は、個人旅行商品や団体旅行が震災の影響を受け前年を下回ったものの、国際航空券単品販売が海外出張需要の回復、新規受注などにより好調で、6.8%増の574億8200万円となった。営業収益は企画商品などによる収益率が低下し3.3%減の60億2600万円となった。

 国内旅行は、個人旅行商品で東北や首都圏商品を中心に販売が減少。団体旅行でもMICEやBTMを契機とした総需要の獲得に向けた営業展開に加え、スポーツ大会や文化イベントなどの受注強化に取り組んだが、震災の影響を受け、国内旅行販売高は17.2%減の902億8100万円となった。

 なお、日本旅行は2月25日に発表した2011年12月期通期予想を下方修正した。営業収益は当初の515億円から463億円に、経常利益は11億5000万円から7億3000万円に、当期純利益は4億4000万円から3億1000万円に修正した。