TNZ新局長ニック・マッジ氏、FIT、SIT需要取り込み強化-10万人市場へ
ニュージーランド政府観光局(TNZ)日本・韓国地区局長に新たに就任したニック・マッジ氏は8月23日、プレスランチを開催した。マッジ氏は、クライストチャーチ地震と東日本大震災の発生に触れ、「追悼の意を示すことは大事だが、観光業界として未来に目を向け、どうすべきか考えることが必要だった」と話し、日本からのニュージーランドへの旅行者数拡大に積極的に取り組む。これまで注力してきたゴールデンルートを好む60代のアクティブシニア世代のほか、30代から40代のFITやSIT層を新たなターゲットに設定し、取り込むねらいだ。
マッジ氏によると、「旅行会社を通じて旅行する人も多いが、FITで自分で調べて旅行する人が増えている」という。こうしたFIT層を取り込むため、TNZではデスティネーションの説明だけでなく、どこで何ができるかを紹介しながら実際の渡航につながるウェブサイトの仕組みづくりを進めている。また、SIT層の取り込みに向けては専門性の高い旅行会社へ商品造成を促したり、オークランドマラソンなどのイベントも活用していく。
なお、マッジ氏によると、2011年2月時点での日本人旅行者数は前年比11%増で推移していたが、震災の影響でその後落ち込み、現在は6%減で推移。2011年は7万人から8万人程度と予想する。ただし、2月まで11%増だったことをふまえ、「2、3年後には、10万人まで伸ばしたい」と意気込みを述べた。
9月9日から10月23日までは「ラグビー・ワールドカップ2011」が開催され、世界中から10万人の旅行者を見込んでいる。メディアなどでも多く取り上げられることから、ラグビー・ワールドカップを契機に、「ニュージーランドのビジネスがオープンであることを伝えたい」といい、クライストチャーチの中心部の一部を除いて通常通りの観光が可能なことをアピールする考えだ。