マカオ観光局、首都圏で教育旅行アピール-マカオ航空の成田就航追い風に

  • 2011年8月4日
マカオ政府観光局副局長のヘレナ・フェルナンデス氏

 マカオ観光局は、首都圏での教育旅行のアピールのため、8月3日、都内で教育旅行担当者を対象にセミナーを開催した。これまで教育旅行セミナーは西日本を中心に実施していたが、2010年のマカオ航空(NX)の成田就航を追い風に、首都圏でも教育旅行先としてのマカオを広めたい考えだ。

 セミナーでは来日したマカオ政府観光局副局長のヘレナ・フェルナンデス氏が登壇し、2010年は日本から約41万人がマカオを訪れており、なかでも教育旅行が増えていると紹介。中国政府はマカオを観光における重要エリアと位置づけており、なかでも日本は重要なターゲットであることに触れ、実際に日本の旅行会社などから意見や提案を聞くことで「より良い新素材開発に役立てたい」と意欲をみせた。

 続いて登壇したマカオ観光局日本地区マーケティングリプレゼンタティブの府川尚弘氏は、世界遺産に認定された歴史市街を歩けば「知識を実体験することができ、歴史と結びつく」と学習効果を強調。このほか、キリスト教やモスク形式の建築物、仏教、道教などさまざまな宗教が根づいていることから、共存、共栄の意識を学ぶことができる点もマカオでの教育旅行の魅力とした。なお、マカオは「カジノの街」というイメージもあるが、世界遺産に指定されているエリアにはカジノはないという。

セミナーの様子

 また、同局日本地区マーケティングリプレゼンタティブ、教育旅行担当の齋藤純氏によると、マカオへの教育旅行は関西地区で盛んで、今年は観光局が把握しているだけでも10校が訪問。マカオだけのモノデスティネーションプランも増えており、3泊、4泊する学校もある。たとえば、毎年教育旅行でマカオを訪れているある高校では、今年は飛行機2機をチャーターして450名の学生を現地に送り、3泊滞在。来年も同規模での教育旅行を企画中だという。

 マカオ観光局によると、現地は学校交流に大変好意的であり、特に観光大学旅游学院は積極的に交流を望んでいるという。ただし、授業中ではなく授業後の文化交流などがメインで、住環境の理由からホームステイは難しい。学校交流は現在のところコーディネーターなどが手配しているが、観光局では学校交流をアレンジしやすくするよう、体系化することを検討中だという。