アクセスランキング、1位は全日空B787、2位は観光庁の若者対策
[総評] 今週は、全日空(NH)がボーイングB787型機を使って運航する就航記念チャーター便についての記事が1位になりました。正直なところ、エアバスA380型機が「旅客機としては世界最大」であることに比べてB787型機はわかりやすい特徴が見受けらないため、話題性は劣るかと少し心配していましたが、余計な杞憂であったようです。
それにしても、最近のNH関連ニュースへの注目度には驚かされます。先週までに掲載した5回のアクセスランキングのうち、実に4回でB787型機やピーチ、エアアジア・ジャパンなど、NHが関係する記事が1位になっています。ほかの出来事との相対的な注目度の差もあるかもしれませんが、今週を含めれば6分の5回ですから、非常に高い確率といって良いでしょう。
B787型機についていえば、NHとしては度重なる納入延期の後にようやく届いた初号機ですから、これから様々な方法で話題を作り出していくことでしょう。A380型機の時もそうでしたが、旅行会社各社からは「B787利用ツアー」なども発売されると予想されます。機材が小さいため、ツアーで利用可能な座席は限られますが、逆にいえば希少性が増すとも捉えられます。B787型機以外でも、ピーチの運航開始やエアアジア・ジャパンの設立など話題には事欠きませんし、しばらくNHのニュースがランクインする機会が多そうです。
ところで、こうした話題は旅行業界内でのみ注目されるものではなく、世間一般でも耳目を集めると考えられますから、旅行自体が消費者に意識される機会も増えることが期待できます。昨年の羽田空港国際化の際にも書いたように記憶していますが、需要喚起の意味でも話題になる回数が多ければ多いほど望ましいでしょう。
その意味では、第5位の観光庁の記事で触れた「ロゴ」も話題性があったのではないでしょうか。調べてみたところ、もともとこのロゴは楽天トラベルが主導し、大学生の意見を踏まえてデザインされたものとのことでした。私も大学生当時の感覚を失って久しいですが、選定にあたった大学生にとっては「キモカワイイ」「ダサかっこいい」といった言葉に近い感覚なのかもしれません。
twitterなどを見ていると否定的な意見が多いようですが、個人的には話題にさせた、つぶやかせただけで一定の効果があったと感じています。例えば当初は大騒ぎになった「せんとくん」もいつの間にかすっかり定着していますし、ピーチ・アビエーションの名称も世間を賑わせ、少なからず印象を残したことは間違いなく、「奇抜さ」にも可能性はあるように思います。
なお、そもそも動きの鈍い若年層を動かそうとしているわけで、第3位に入ったハウステンボスのように、すでに確立されたブランドやコンセプトを方向転換するような複雑な話ではありません。一方で、ロゴを作るだけでどうにかなるような規模の話でもありません。ですから、奇抜であっても思いついたことはまずやってみる、効果がなければまた別の手立て、という気構えで良いのではないかと思います。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2011年7月第5週:7月22日0時~7月29日18時)
第1位
◆全日空、B787型機就航記念で成田/香港のチャーター便運航-成田発着遊覧も(11/07/26)
第2位
◆エアプサン、搭乗者数500万人を突破-国際線は33万人、成田で記念イベント(11/07/26)
第3位
◆HIS澤田会長、ハウステンボスを「未来都市」に、医療観光など展開へ(11/07/28)
第4位
◆アメリカン航空、合計460機発注-過去最大規模、単通路機材を刷新(11/07/22)
第5位
◆観光庁、若者需要は「目的明確化」と「ICT活用」がカギ-ロゴも作成(11/07/26)
第6位
◆全日空、国際線発券手数料値上げ、コールセンターとカウンターを5250円に(11/07/27)
第7位
◆ブリティッシュ・エアウェイズ、羽田線Fクラスに新シート(11/07/26)
第8位
◆立教観光学部、夏の志賀高原の観光活性化へ-旧ホテル活用しバーを開業(11/07/27)
第9位
◆中国の鉄道事故、影響は部分的-大手旅行会社、代替交通手段への振替も(11/07/27)
第10位
◆ノルウェーテロ、外務省が注意喚起-観光は平常、ツアーも催行継続(11/07/26)