「江」の次の一手を 長浜観光協会、ポスト大河に意気込み/滋賀

 滋賀県の長浜観光協会(岸本一郎会長=浜湖月)はこのほど、公益社団法人登録を取得して初めての総会を長浜ロイヤルホテルで開いた。

 岸本会長は冒頭のあいさつで「NHK大河ドラマ『江』の影響で6月初めまで『江・三姉妹博覧会』などの入館者を含めて50万人以上の観光客が訪れ、喜ばしい。しかし来年、大河ドラマが終わったあと、どのような取り組みを行うのか、今から考えておく必要がある。現段階から次の一手を打っていきたい」と、ポスト大河の対応に意気込みを示した。

 協会の新年度重点事業は、(1)ポスト博覧会としての事業展開(2)大河ドラマ50周年と「平清盛」(2012年NHK大河ドラマ)に関連する「源平ゆかりの地」の情報発信(3)公益社団法人への移行に伴う事業推進体制の見直しに取り組む。

「観光地・琵琶湖」を首都圏にアピール

 総会終了後には、日本政策投資銀行参事役の藻谷浩介さんが「観光地・長浜の次の一手」を演題に講演した。

 藻谷さんは「どこの観光地も苦戦しているなか、長浜で観光客が増えているのはこれまでの努力の結果」と称えたあと、「ただし来年以降も伸びるとは考えにくい」と指摘。「もっと貪欲に顧客をつかもうとする取り組みが必要だ」と述べ、多くの人が来ているのにまったく客をつかもうとしない有名観光地の事例を挙げて説明した。

 具体策の一つとして、関東の客から「琵琶湖は観光地として認知されていない」ことを示し、巨大な首都圏マーケットにアプローチすることで観光地としての琵琶湖をアピールするよう訴えた。

 さらに、生き残る観光地と宿の条件として口コミ集客、外国人を含んだ個人客、長期滞在への対応ができているか、どうかだと指摘した。

 加えて、その地域独自の食材や生活文化を売っているか、地域ブランドのある商売をしているか、観光地として明確なポジショニングができているか、食以外の時間消費メニューがあるかなどをチェックしてほしいと話した。


情報提供:トラベルニュース社