夏の旅行を計画・検討、国内52.6%、海外14.8%-長い休みで意欲増進も
ツーリズム・マーケティング研究所(JTM)が7月1日から5日に実施した「東日本大震災が消費・旅行に与える影響に関する調査」で、今夏に帰省や親族訪問を含めて国内旅行を計画、検討している人は全体の52.6%となった。内訳は「計画済み」が16.6%、「行くつもり」が36.0%。4月の第2回調査では「計画済み」が8.6%、「検討中」が29.4%となっており、大きく伸びた。一方、海外旅行は前回調査で「計画済み」が7.0%、「検討中」が9.0%であったが、今回は「計画済み」が5.6%と減少し、「行くつもり」も9.2%と微増に留まった。
夏休みの長期化や分散化の影響では、連続した休みが長くなる「夏休みが長くなった」人と、連続した日数は増えないものの「日数が増えた」人が合計で全体の11.4%となり、1割を超えた。こうした層では、夏の旅行に積極的な姿勢が顕著といい、「旅行をしたくない/しないと思う(行かない)」と答えた回答者は、全体の38.8%に対して夏休みが長くなった人では20.7%、日数が増えた人では7.1%に留まったという。海外旅行の計画・検討状況でも、夏休みが長くなった人で44.8%、日数が増えた人で35.7%が計画、検討している。
夏休みに旅行をする理由を聞いた質問では、「いつも夏休みには旅行・帰省をする」が40.8%で1位。以降は、「気分転換やストレス解消」が32.0%、「家族や友人と過ごす機会」が30.1%、「行ってみたい旅行先がある」が25.2%と続いた。一方、「放射性物質の心配がないところに行きたい」は2.6%、「節電の影響がないところに行きたい」は2.3%、「地震の心配がないところに行きたい」は1.6%となり、地震や原発事故の影響を回避しようとする意向は少なかった。
こうした不安やリスクを回避する目的が減少している点についてJTMでは、日常生活の回復を望む回答者が、「『避難』や『疎開』をするための旅行」という考え方自体から脱却したいと考えた可能性もあると指摘。調査の他の質問でも、今の気持ちについて「明るい・楽しい・積極的」と答える傾向が強かった一方、「はやく元通りの日常生活・気持ちに戻りたい」と思う人も43.6%、特に首都圏では49.2%にのぼったという。
なお、被災地や社会への貢献に関する質問では、節電や節水に前向きな姿勢を示した回答者が78.8%となるなど、身近なところから協力、支援したい意思が読み取れた。一方、「積極的に被災地を訪れて復興に貢献・支援したい」とした人は、「あてはまる」と「ややあてはまる」の合計で24.8%に留まった。また、夏休みに旅行をする理由でも、「ボランティアに行きたい」は1.0%と低い結果となった。