台湾観光訪日代表団来日、「台湾希望の旅」で日本を元気に、訪日旅行推進へ
台湾観光訪日代表団45名が先ごろ来日し、6月28日に都内で義捐金の贈呈式と記者会見を開催した。贈呈式には震災直後からチャリティ活動に尽力してきた女優のジュディ・オング氏も特別ゲストとして出席。同代表団の団長で台湾観光局の局長の頼瑟珍氏は冒頭のあいさつで、「今回持参した義捐金は台湾国民の義捐金に比べれば少ないものだが、台湾観光業界の愛のこもった心を持参した」と述べ、義捐金を交流協会専務理事の井上孝氏に手渡した。
また、記者会見では台湾観光局が企画している「台湾希望の旅」を紹介。これは岩手県、宮城県、福島県の被災者を台湾に14日間の旅行に招待するというプロジェクトで、チャイナエアライン(CI)やエバー航空(BR)は日本/台湾間の無料往復航空券、台湾の旅行会社からは空港と宿泊施設間の送迎、台湾各県の宿泊施設は13泊分の宿泊を500部屋分無償で提供する。先着順で、すでに申し込みを開始。希望者は、7月15日までに専用の用紙で台湾観光協会東京事務所に申し込む必要がある。
頼氏は今回の来日の目的について、「従来は台湾への観光をプロモーションしているが、今回は台湾の観光客を日本に誘致する支援をしたい」と語った。実際、4月以降に台湾のメディアや旅行会社関係者を招いた訪日視察旅行を実施。また、5月には台湾立法院の王金平院長が300人の観光団とともに北海道を訪問し、日本の観光をアピールしている。
航空会社なども支援に積極的。例えば、CIやBRは震災直後より救援物資の運搬に協力しているが、さらにCIは日本の渡航危険度が引き下げられた翌日から訪日旅行の誘致活動を開始し、台湾のメディアや旅行業界関係者を北海道や南九州へ誘致。一方、BRも訪日旅行推進活動のほか、今回震災の影響で減便したフライトも徐々に回復させている。9月22日、25日には台北/仙台間のチャーター便を運航する予定だ。
これに対し、日本政府観光局(JNTO)理事長の間宮忠敏氏は、「台湾からの訪日客は前年同月比で4月は67%減だったが、5月に入って40%減と他の市場に比べると回復の度合いが非常に早まっている市場のひとつ。台湾政府、民間あげての支援が実った結果、このように回復の度合いが上がってきた。心から感謝申し上げたい」と謝意を述べた。