アクセスランキング、1位は全日空のB787
2位は燃油費値上げ
[総評] 今週の1位は、全日空(NH)がボーイングB787型機の初号機と2号機にほどこす特別塗装の記事となりました。海外旅行は飛行機か船で移動しなければ成り立たないせいか、飛行機関連の記事は常に高い注目を集めます。
話題作りという意味では、3位にも入ったエアバスA380型機は2008年5月のシンガポール航空(SQ)による成田就航以来、日本でも常に話題となり、海外旅行に消費者の目を向けてくれました。A380型機に「大きさ」という分かりやすいインパクトがあったのに対して、B787型機はやや抽象的なイメージが強いように思いますが、果たしてNHがどのようにアピールしていくか、ローンチカスタマーとしての腕の見せ所でしょう。
一方、2位には日本航空(JL)が燃油サーチャージを値上げする記事が入っています。8位にもNHの同様の記事が入りました。これまでも当欄で訴えてきましたが、燃油サーチャージの高騰は海外旅行市場にとっては需要の阻害要因以外のなにものでもありません。特に長距離のデスティネーションでは4人家族で20万円を超えてしまいますから死活問題です。
燃油価格の変動が航空会社の経営に与える影響は承知していますが、見た目には安い運賃を設定して興味をひき、実際には燃油サーチャージで利益を確保するやり方は、消費者目線で考えれば納得しにくいものがあります。国際線のみに適用され、国内線では徴収されない理由を一つとっても理解を得にくいでしょう。しかも、その説明は旅行会社がしなければならないわけですから、まさに“泣きっ面に蜂”です。
報道によると、国際エネルギー機関(IEA)が原油価格高騰に対して、加盟国が備蓄している石油を放出することを決めたようですが、これから原油価格が急落しても夏の旅行には間に合いません。もちろん原油価格の値下がりは是非とも実現してほしいものですが、何とか業界全体で工夫できる余地はないものかと考えてしまいます。
なお、4位には日本政府観光局(JNTO)のインバウンド復活に向けた緊急対策がランクインしています。海外主要市場の旅行会社とメディアを合計で1000名招請しようとするもので、その規模の大きさから「本気」が伝わる内容であったのではないかと思います。これまでトラベルビジョンも四川省などの「リカバリーFAM」に参加する機会をいただいてきましたが、今回は海外の友人たちの活躍に大いに期待しています。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2011年6月第4週:6月20日2時~6月24日18時)
第1位
◆全日空、B787の特別塗装を発表、国際線用シートも(11/06/22)
第2位
◆日本航空、燃油サーチャージ値上げ、欧米線5.8万円に(11/06/21)
第3位
◆成田/ソウルにA380-大韓航空が初フライト、仁川経由ツアーも意欲(11/06/20)
第4位
◆インバウンド復活に向け緊急対応、旅行会社やメディア1000名招待へ(11/06/20)
第5位
◆11年の海外旅行「行きたい」8割-渡航先人気はイタリア、LCC利用意向は7割(11/06/22)
第6位
◆マカオ航空、成田/マカオ線再開記念運賃を発売-エコノミー往復7700円(11/06/23)
第7位
◆羽田がさらに国際化、ターミナル拡張で合意-昼間に欧米など長距離線も(11/06/21)
第8位
◆全日空、8月1日以降の燃油サーチャージ値上げ-欧米、中東は片道2.9万円に(11/06/21)
第9位
◆ミキ・ツーリスト、海外事業に本腰、社長交代で-アジアを成長の基盤に(11/06/22)
第10位
◆イースター航空、成田/仁川線で往復1万円の就航記念運賃設定-燃油込みで(11/06/21)