カナダ、冬の商品が拡充、関東以西の需要の高さも認識-4都市でセミナー

  • 2011年6月24日
カナダ観光局日本地区代表のモリーン・ライリー氏

 カナダ観光局(CTC)は6月23日、ブリティッシュ・コロンビア州観光局(BC州観光局)、アルバータ州観光公社、オンタリオ州観光局、プリンス・エドワード島州政府観光局、ユーコン準州政府観光局と共同で、カナダセミナーを開催した。CTC日本地区代表のモリーン・ライリー氏は「カナダの広さを知ってほしい」と話し、広大なカナダの各州に広がる魅力や見所について知ることで企画や販売にいかしてもらうねらいだ。

 セミナーでは、各州がそれぞれの魅力を紹介。商品造成や販売していく上でのポイントなどが話された。まず、ユーコン準州政府観光局は、ユネスコ世界遺産に登録されている、クルアニ国立公園や、世界でも珍しいトゥームストーン州立公園のツンドラの紅葉を紹介。紅葉がピークを迎える8月最終週から9月始めはオーロラも同時に鑑賞することができるのは同州のみだ。

 BC州観光局は、2010年のバンクーバーオリンピックを経て、バンクーバーの聖火台や、10月にリニューアルオープンする5万5000人収容可能なドーム型施設「BCプレース」が新たな観光スポットに加わったと紹介した。バンクーバーに続きビクトリアでも街歩きをすすめており、地図や観光情報などを掲載した小冊子のビクトリア版が夏に完成する予定だ。また、バンクーバーでの「エコ・オーガニック・サスティナビリティー」をテーマとした視察旅行も提案。8月にはグループインセンティブマイクロサイトを開設予定で、団体旅行の企画や販売に役立つ情報を提供する。

 アルバータ州観光公社は、昨年から提供されている氷河を「体験」できるプログラム「コロンビア大氷原シーニック・ウォーク」を紹介。これは、専門ガイドとともに氷河に覆われた大自然を自分の足で歩いて体験する2時間のツアーだ。また、オンタリオ州観光局は、ナイアガラの滝やメープル街道などの人気観光地のほか、英国調の町並みが残るナイアガラ・オン・ザ・レイクでのワイナリー巡りなどを紹介した。さらにプリンス・エドワード島州政府観光局は、赤毛のアンだけでない豊富な体験型素材について提案。同島で育ったストロベリーを摘んでケーキを作ったり、有機栽培の農家体験など、カリナリーツーリズムやアグリツーリズムのデスティネーションとしてすすめた。

 なお、ライリー氏によると、夏以降の旅行需要は予約時期の3月に東日本大震災が発生したこともあり、「昨年と比べて下がっている」ところ。一方、秋以降は持ち直しており、スキーやオーロラのほか、カナダ西部など、冬のパッケージ商品のラインナップが増えていることから、今後も商品拡充に向けて旅行会社と協力していくとし、2011年の日本人訪問者数を目標の30万人へ近づけていきたいと意気込んだ。

 特に、今回のセミナーを東京以外に大阪、名古屋、福岡でも開催したところ全体で約500名が参加し、関東以西のカナダへの関心が高いことが伺えたといい、こうした地域での潜在的な需要の掘り起こしにも取り込んでいきたい考えだ。