観光庁、東北復興支援でイベント共催-福島で復興支援キックオフイベント
観光庁は福島、岩手、宮城の被災3県など東北で開催されるイベントに積極的に協力し、東北地方の観光再生にむけた支援を実施していく。6月17日に開催された定例会見で、観光庁長官の溝畑宏氏は被災3県、なかでも福島第一原子力発電所事故による風評被害に苦しむ福島の観光復興について「国が積極的に取り組むべきテーマ」と述べ、「国や地方自治体、民間を含めてテコ入れをしていく必要がある」との考えを示した。
第1弾として、6月26日に福島県会津若松市で、東北観光再生のキックオフイベント「日本の元気再生PROJECT『Project JAPAN in FUKUSHIMA~始まりのAIZU~」を官民連携で実施。イベントでは福島県知事が福島観光復興に向けた宣言を発表するほか、観光庁長官が東北観光振興に官民挙げて注力していくことを宣言する予定だ。
溝畑氏によると、福島県は震災発生以来、修学旅行の9割以上がキャンセルになるなど観光客が激減しているという。イベントで安全と復興の進行を日本だけでなく世界に発信することで、国内外からの来訪者の増加をはかり、観光と地域産業の活性化をめざす考えだ。福島県観光交流局局長の大河原薫氏も「会津は自然界に近い、普通の放射線レベル。実際に来ていただいて、福島の良さを分かっていただければ、これからの復活につながる」とイベントへの参加を呼びかけた。
また、溝畑氏は夏の旅行需要喚起をはかるため、7月に官民一体でキャンペーンを実施する方針を述べた。節電対策による企業の夏休み長期化の流れを踏まえ、休暇の長期化、分散化、若者の旅行振興の促進について「さまざまな地域の関係者や関係省庁、民間の皆様と連携を取りながら、観光の振興に積極的に取り組んでいく」考えだ。
加えて、溝畑氏は震災復興には「農林水産業の再生が大きなテーマ」と述べ、農林水産業などの地場産業を生かし、エコツーリズム、グリーンツーリズムによる観光振興をはかる考えを示した。さらに、若者の東北復興に関わりたいというニーズが高いことから、ボランティアツアーも実施するという。