スペシャリスト・インタビュー<タヒチ>:
アドベンチャー・アイランズ冒険の島 渡辺さん
現地を知るスペシャリストとして、思い通りのタヒチ旅行を実現
タヒチ、ニューカレドニア、フィジーなど太平洋に点在する島々をはじめ、ミクロネシアのパラオやジープ島、インド洋のモルディブやモーリシャス、そして南米に近いイースター島と、地上の楽園ともいうべき南の島々を扱う「アドベンチャー・アイランズ冒険の島」。現地の旅行会社で経験を積んだ渡辺さんは、帰国後も島々の魅力を直接旅行者に伝えたいと、7年前に同社に入社しました。デスティネーションの魅力も旅行中の注意点も、現地目線で伝えられるのが同社ならではの強みといいます。その島の本質を体験したり、思い通りの滞在を実現するにはどこでどう過ごせばいいか、おのずと導くべき行程が見えてくるという渡辺さん。フィジーやタヒチでの現地滞在経験やその国の魅力について伺いました。
アドベンチャー・アイランズ冒険の島 営業企画主任 渡辺 浩さん
2006年 ティアレ・タヒチ・エージェント 認定
Q.フィジーから始まった南の島体験とはどのようなものだったのですか?
20代の中頃、フィジーに移り住んだ友人を訪ねたのがきっかけです。海外旅行の経験もあまりなく、初めてのフィジーでしたが、そこで生き生きと過ごす友人の姿を見て、衝動的に海外で働きたいと思ったのです。それまでの仕事は事務職で、人前で話すのも苦手という性格でしたが、語学力も旅行会社勤務の経験もないままフィジーに行ってしまいました。
フィジーは素朴でいい所ですが、その分便利な日本と180度異なる生活は大変でした。しかし、何より苦労したのはガイドとしてお客さまに接することです。経験のない20代の私でも、お客さまにとってはフィジーのことをよく知る頼りになる存在に映ります。慣れるまでに1年かかりましたが、フィジーでは仕事も生活も、そして性格まで180度変わり、新しい自分を発見することができました。
Q.その後、タヒチへ移ったのはなぜですか?
フィジーでの生活も4年目に入った2000年、クーデターが起こったからです。一気に旅行者が減り、仕事がなくなりました。契約満了の時期だったこともあって一度日本に帰国したのですが、南の島で働きたいという気持ちは残ったままでした。そんな時、タヒチに仕事があるという情報を得て、すぐさまタヒチへ移り住んだのです。
タヒチは都会的でおしゃれ、というのが第一印象。フランス語はさっぱりわかりませんでしたが、フィジーの時と違うのは、フィジーの3年半で培った語学力と経験です。お客さまへの対応で困ることはありませんでしたが、どちらかというと内勤だったので、もっとお客さまと直接関わりたいというジレンマはありましたね。
Q.滞在していたからこそわかるタヒチの魅力とは?
タヒチといえば、青い海に浮かぶ水上コテージのイメージを思い浮かべ、多くの旅行者はタヒチのどこへ行くかより、どのリゾートを選ぶかを中心に考えがちです。しかしタヒチの場合、周りの環境によって風景がまったく異なります。例えば、比較的海抜が高く、緑豊かなソシエテ諸島は、神々しい山とブルーラグーンのグラデーションが美しい風景をつくり出しています。
その北に位置するツアモツ諸島は海抜が低く、遠浅の海が広がるエリア。どこまでも続く広大な水平線を望む風景は、同じタヒチでもソシエテ諸島とはまったく違うのです。パペーテでフレンチを食べたとか、ショッピングをしたというだけで、タヒチへ行ったと言ってほしくないほど、タヒチにはさまざまな表情があることを伝えたいと思っています。
Q.特にお勧めの場所はありますか?
ツアモツ諸島のマニヒ島ですね。この諸島は、見渡す限りの水平線に、わずかな陸地のある環礁の島々が点在しているエリアです。マニヒ島はリング状の珊瑚礁で、中心にラグーンが広がっているのが特徴。タヒチ島から国内線で1時間20分かかりますが、日本人旅行者も少なく、静かにゆったりと過ごすことができます。島に1件のリゾートも華美でなく、心地よく過ごせる造り。ここでは、お腹が空いたら食べ、眠くなったら眠るという贅沢な時間の過ごし方がおすすめです。夜になると、遮るものがないので満点の星空がドーンと目の前に迫ってくる体験ができます。天気がよければ天の川もはっきり見えますよ。何より旅行者のためのリゾート島ではなく、そこに地元の人々の生活が根づいているのがこの島の魅力ですね。
リゾートにこもっていると、タヒチらしさを感じることなく帰国するケースも少なくありません。当社のお客さまには、ホテルが良かったというより、タヒチへ行って良かったと感じてほしい。そのための方法として、当社で企画しているモツ(小島)ピクニックツアーをおすすめしています。あえて地元のガイドが同行するのですが、言葉は片言でも彼らの人を楽しませたいというパワーに、初めてタヒチという国の本質を実感できたというお客さまも多くいらっしゃいます。やはりタヒチに来たからにはタヒチの人々と触れ合うこと。これは、旅行の醍醐味として欠かせない要素だと思います。
Q.ティアレ・タヒチ・エージェントの認定を受けたのはいつですか?
2006年にタヒチ観光局がこのプログラムを立ち上げた時です。ずっとタヒチに関わってきたので、オンライン・トレーニングはすぐにクリアできました。セミナーも毎回参加していましたし、取得には送客実績が必要なのですが、送客は日常業務だったので、スムーズに取得できました。認定後は、認定証をオフィスに飾っていますが、対お客さまに効果的なのは、タヒチ観光局のウェブサイトでエージェント検索してもらえる点です。ここを辿って当社に問い合わせるケースがどのくらいあるかわかりませんが、ひとつの窓口として有効です。
Q.今後の目標はありますか?
タヒチへ行くことを決めただけでは、まだ間口は広い状態で、お客様も何をどう選んでいいかわかりません。何をしたいのかを具体的に聞いていくうちに、現地での滞在イメージが固まってくるので、まずはご相談いただきたいですね。当社は社長も現地滞在経験が豊富なので、パッケージツアーではどうにも融通が効かないというお客様に、希望に沿ったアドバイスと日程を提案することができます。また、タヒチというといまだハネムーナーのお客様が大半ですが、今年は夏にファミリー向けのキャンペーンを展開します。ファミリー、シニアカップル、小グループと、幅広いマーケットにタヒチを勧めていきたいと思います。
ありがとうございました
タヒチ観光局が2006年に開始した旅行商品販売担当者のための教育プログラム。オンライン・トレーニングで基礎知識を増やし、観光局主催のセミナーに参加した時点でトレーニング修了者となり、修了証や店頭用「タヒチ・スペシャリスト」シールが贈呈されます。その後、1 年以内に3組6名の送客実績を確認後、「ティアレ・タヒチ・エージェント」として正規に認定。額入り認定証や認定バッチが贈呈されるほか、専用ロゴマークの使用権、研修旅行への参加といった特典を受けることができます。また、観光局のウェブサイトには、タヒチ旅行のスペシャリストとしてエージェント検索ページに掲載されます。受講料は無料で、必要な教材は(交通費以外)すべて支給されます。