11年累計の宿泊業倒産件数は1.5倍の72件、5月単月で3.5倍、旅行業は微減
東京商工リサーチ(TSR)によると、2011年1月から5月までの宿泊業の倒産件数が前年比56.5%増の72件(前年、以下同じ:46件)と大幅に増加している。TSRでは、長引く個人消費の低迷やデフレ、震災などの影響で収益が悪化したと分析。10億円以上の大型倒産も15件(同:10件)発生しており、同期間中の負債総額は65.5%増の628億1300万円と大幅増となった。
地区別に見ると、四国を除く全地区で倒産が発生しており、全国的に倒産が広がっていることがわかる。中部が18件、関東が15件、近畿と九州が各9件、東北と中国が各6件、北陸が5件、北海道が4件であった。形態別では消滅型の法的手続きの破産が70.3%増の46件、特別清算が366.6%増の14件を占めた。
さらに、東日本大震災の影響で直接被害にあったり、自粛による予約キャンセルなどの影響を受けたりした「震災関連」倒産は4月に4件、5月に8件と計12件発生している。TSRはこのまま同じペースで推移した場合、2001年以降では2008年の145件を抜いて最多件数を記録する可能性もあるとの見通しを示した。
▽宿泊業の5月単月倒産件数は3.6倍の29件、旅行業は微減
5月単月の宿泊業倒産件数は、前年の3.6倍となる29件(同:8件)と伸びており、負債総額は177億1700万円(同:39億5900万円)。一方、5月単月の旅行業倒産件数は3件で前年から1件の減少。負債総額は1億1200万円(同:7700万円)だった。