被災者への一般旅券発給特例措置が閣議決定
-旅券特例法、6月8日施行へ

  • 2011年6月7日

 政府は6月3日、「東日本大震災の被災者に係る一般旅券の発給の特例に関する法律」と同法施行令を閣議決定した。これは震災で多くの被災者が一般旅券を紛失などしたことに対処するためのもの。外務省領事局旅券課によると、対象となる被災者は推定で約2万4000人となるという。被災者が紛失届を提出した際、国に手数料を支払うことなく、当該旅券の有効期限までの一般旅券「震災特例旅券」を発給する。法律と施行令を併せて「旅券特例法」とし、6月8日に公布し同日施行する予定だ。

 震災特例旅券の申請対象となるのは、地震が発生した3月11日時点で有効だった一般旅券を紛失もしくは焼失した被災者で、震災で居住する住宅が滅失、または損壊した被災者であることが市町村長などの発行する証明書で確認できる人。対象者は一般旅券の紛失や焼失の届出をおこない、一般旅券の発給を申請する必要がある。申請受付期間は法律の施行日から2013年の3月31日までの約2年とした。

 震災特例旅券の有効期限は震災当日に有効だった一般旅券と同じ期限まで。1回目の発行は最大5年で月単位で発行し、1ヶ月未満は切り捨てる。紛失した一般旅券の有効期限が5年以上の被災者に対しては、まずは5年分の一般旅券を発行し、申請した震災特例旅券の期限が切れる1年前から残存分について2回目の震災特例旅券を受付し、再度発行する。

 手数料については、5年未満の一般旅券を発券する際の6000円に設定。国の徴収分である4000円は免除する。地方自治体の手数料である2000円については各自治体が決定するが、外務省領事局旅券課によると、各地方自治体ともに条例を制定し免除する考えで、6月8日に向けて準備を進めているという。