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JATAとJNTO、絵葉書で海外からの支援に感謝の気持ち
-共同キャンペーン実施

(左から)JATA会長の金井耿氏、JNTO理事長の間宮忠敏氏

 日本旅行業協会(JATA)と日本政府観光局(JNTO)は6月3日、東日本大震災後に世界各国から寄せられた支援やメッセージに対し、日本からの感謝の意を伝える「日本からの”ありがとう”キャンペーン」の実施を発表した。日本の代表的な観光地を絵葉書にした「ありがとう絵葉書」を日本からの出国者に配布し、海外の人々に絵葉書のメッセージを渡してもらう。支援に対し感謝の気持ちを伝えるとともに、日本の安全性を海外に伝えることで訪日促進をはかる考えだ。キャンペーン期間は6月6日から約2週間だが、経済団体などにも協力を呼びかけており、継続も検討していく。

 絵葉書には英語、中国簡体字、繁体字、韓国語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、日本語の8種類で「ありがとう」や、「Hope to see you again in Japan」のメッセージを掲載。1部3枚セットとし、富士山、松島、仙台の七夕の写真を使った東日本版と、富士山、清水寺、天橋立の写真を使った西日本版を合わせて20万部を用意した。

 絵葉書の全体の6割は、キャンペーンに協賛した成田、羽田、関空、中部の各空港会社を通して配布。このほか、旅行会社や航空会社、JNTO海外事務所経由で配布する。旅行会社経由ではツアー予定表送付時の同封を、航空会社経由は機内での配布を検討中という。海外への渡航者が現地で絵葉書を配布しやすいよう、ツアーの添乗員に協力を求めて機会を設けるなど、配布後の対応についても工夫していく考え。経済団体に対しても、ビジネス目的の渡航者に訪問先で渡してもらえるよう協力を呼びかけているという。

 6月3日の会見で、JATA会長の金井耿氏は「1人1人の出国日本人が観光親善大使の役割」とし、「安心安全を含め、日本の元気を海外に伝えてほしい」と呼びかけた。同氏によると、海外出国者数は3月時点で前年比12%減と落ち込んだが、4月は9%減となり、徐々に回復しつつある。夏の状況については、旅行者の間際予約化が進んでいるため現段階でははっきりと予測できないとつつ、「東海以西の戻りを中心に、何とか前年並みまでたどり着こうと努力していく」考えを示した。

 また、JNTO理事長の間宮忠敏氏も「双方向の交流促進をめざすということに意義がある」とし、キャンペーンで海外渡航者が日本の正確な情報を外国人に伝えることで「インバウンドの需要喚起にも相乗効果をもたらす」と期待を示した。