OTOA、一般社団法人移行、定款も変更へ-「安心・安全」の取組み強化も
日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)は6月2日、第20回通常総会を開催し、公益法人制度改革にあわせ一般社団法人へ移行することを承認した。理由として、公益社団法人に求められる事業比率50%を毎年継続することは困難な上、会員や業界のための事業は公益事業にあてはまらないが、一般社団法人であれば会員や業界の要請に応じて自主的な事業展開できるなどを挙げた。また、一般社団法人への移行とともに定款も変更する予定で、アウトバンド業務に限定せず、インバウンドを含め幅広い事業に取り組めるよう定める考えだ。今後、臨時総会または2012年度通常総会で定款変更や公益目的支出計画の承認を得て、2012年度中に申請する予定だ。
OTOA会長でサイトラベルサービス代表取締役の大畑貴彦氏は東日本大震災やエジプトの政情不安、ユタ州でのバス事故などを振り返り、「大変厳しい1年だったが、改めて観光産業は安心と安全の裏打ちなしには発展できない」と挨拶。OTOAの2011年度事業計画でも、「安心と安全」の取り組みについてより強化し、情報の充実をはかっていくという。また、公益法人制度改革にあわせてOTOAの役割を検討していくとして、2月に実施したOTOA会員の実情に関する調査を活用しながら、業界の発展に向けて柔軟に取り組める団体へと成長させていく。
2011年度事業計画では、安全対策の充実や良質なサービス提供のための取り組み、グローバルスタンダード、会員向けサポートを柱に策定した。安全対策では、改めてランドオペレーターの役割を認識し、最新の安全情報の提供と充実をはかる。ウェブサイトに掲載中の都市別安全情報は見直しをおこない内容を更新、充実させる。また、安全管理の徹底を会員に対し要請するほか、安全対策セミナーへも積極的に参加する。
また、良質なサービス提供に向け、研修事業を実施。昨年から延期となったクロアチア人の日本語ガイド養成のための研修旅行を9月におこなう予定だ。このほか、下請法ガイドライン策定に向けて関係各所に働きかける。また、会員の実情調査から会員の30社がすでにインバウンドを手掛けており、27社が今後取り組みを検討、計画していることから、将来的に会員の約半数がインバウンド事業に取り組む可能性があるとして、今後どのように取り組むか勉強会を開催する。