日中韓、リスクに共同対応で一致、「ビジョン2020」策定へ

  • 2011年5月31日

 日中韓3ヶ国の観光担当大臣は5月29日、韓国で開催中の第6回日中韓観光大臣会合の成果として共同声明を発表した。3ヶ国で協力する点として、東日本大震災を踏まえて観光へのリスクに対する共同対応体系の構築を掲げたほか、3ヶ国の交流規模拡大のため「ツーリズムビジョン2020」の確立をめざす。また、「日中韓公正観光イニシアチブの推進」では、観光交流の品質と満足度の向上に向け、観光業界におけるフェアトレードを推進する。

 リスクへの共同対応では、相手国に危機的状況が発生した場合、その状況や回復状況に関する正確な情報を、自国内で発信するなど具体的な努力を講じるほか、特別プロモーションなど観光回復のための措置について最大限協力する。また、自然災害やテロ、疾病などに応じた協力体系を構築するために危機管理マニュアルを共同で開発する。

 「ツーリズムビジョン2020」の具体的な内容については継続的に協議し、2014年末までに最終案を発表。その後、履行状況を持続的に点検し、日中韓観光大臣会合で結果を発表していく。

 また、「日中韓公正観光イニシアチブの推進」では、「フェアトレード・イン・ツーリズム」の原則のもとで、ダンピング商品や不公正な商習慣などの改善に向け、共同キャンペーンなどを実施。

 このほか、日中韓の観光交流拡大に向け、青少年や大学生の観光交流を強化。また、3ヶ国間だけでなく域外からの観光客増加に向けて、「日中韓観光ゴールデンルート10選」事業に取り組む。なお、青少年の観光交流とゴールデンルート事業は、ツーリズムビジョン2020の事業計画として推進する。