SEISIN GROUP

アクセスランキング、1位は“Peach”
-賛否両論、出だしは順調か

  • 2011年5月28日

[総評] 今週は、全日空(NH)と香港の投資会社が設立した格安航空会社(LCC)のブランドが“Peach”に、社名が“Peach Aviation”に決まった記事が1位になりました。ピンク色の機体デザインとブランド名自体のもの珍しさもあり、非常に大きな注目が集まりました。twitterなどでの反応を見てみると、賛否両論がかなりはっきり分かれているのが面白いところで、割合としては、色の奇抜さなどに“引き気味”な意見の方が多いようです。


 個人的には、“LCC”というビジネスモデルは、モノクラスや機内食の有料化といったシステマティックな側面よりも、イメージ戦略が重要であると考えています。本来、LCCは“ローコストキャリア”であり、“ローフェアキャリア”ではありません。本当かどうかは知りませんが、「大手のフルサービスキャリア(FSC)のチケットをLCCに振り替えようとしたら、FSCの運賃の方が安くてできなかった」といった笑い話もあるくらいで、必ずしも“運賃が安い”航空会社ではありません。


 しかし、現実にはLCCは“格安航空会社”として一般的に認知されており、イメージが確立しています。逆にいえば、消費者に対して「これまで目にしてきた航空運賃は高いものである」と思わせ、「我々は既存の航空会社とは異なる、格安の運賃を提供する全く新しい航空会社だ」と印象づけることが成功のカギであるはずです。


 そうして見ると、例えばカジュアルなユニフォームや一見奇抜な機体デザイン、消費者を“引き気味”にするブランド名は、FSCと自らを断絶し、既存勢力の“守旧的”“高い”“古臭い”“堅苦しい”といったイメージとの対比を際立たせる効果を持つと考えられます。もちろん、賛否を巻き起こすことで認知度を向上することもねらいのはずで、その意味では“Peach”の出だしは順調、ねらい通りといえそうです。


 ただし、LCCは“安かろう悪かろう”のイメージ払拭のため、安全性や安心感、清潔感のアピールも欠かせません。この点においてPeach Aviationはおそらく、ジェットスター航空(JQ)が就航当初、カンタス航空(QF)グループであることを強く打ち出したように、NHのブランド力をフル活用するでしょう。このような“いいとこ取り”のバランスが、今後のPeach Aviationにとって最重要課題となるはずです。


 ややネガティブな書き方になってしまいましたが、LCCが一般的に持つとされる新規需要の開拓には非常に大きな期待を抱いています。海外旅行と訪日旅行の市場拡大には座席供給量の増加が不可欠ですし、さらに若者の需要喚起にも期待できます。


 旅行会社がLCCとどのように付き合うかは難しい問題ですが、避けて通れば、近い将来さらに難しい問題に直面しかねないように思います。それこそ、今の時代に合わせて“ローコスト旅行会社”を標榜するような会社があっても良いはずです。柔軟な発想で荒波を乗り越えていきましょう!



▽ウェブサイトをリニューアルしました


 皆様すでにお気付きであると思いますが、5月23日にウェブサイトを全面リニューアルしました。旧サイトは2005年から稼動していましたが、新サイトの稼働直前には開設当初の5倍を超えるアクセスが集まるようになったこともあり、動作が重いと多くの方からお叱りを頂戴していました。先般のリニューアルで、まずこの点については改善できたものと自負しています。


 今後も、例えばスマートフォンや携帯電話向けページの新設など、さらに便利で使い勝手の良いウェブサイトをめざして改善に取り組むとともに、皆様により一層ご活用いただけるよう掲載情報の充実をはかってまいりますので、どうぞご期待ください。


 なお、リニューアルの一環で、6月6日の朝刊分から日刊トラベルビジョンの送信元アドレスを下記の通り変更します。ドメイン指定で受信を許可されている場合や、また送信元メールアドレスを使用してフィルタを設定されている場合は、6月4日午前11時から同6日午前6時までの間に設定を変更していただけますようお願いいたします。ご不明な点は、編集部までお問い合わせください(editor@travelvision.co.jp)。(松本)



▽日刊トラベルビジョン送信元アドレス変更
【新】postman@travelvision.jp
【旧】postman@travel-vision-jp.com
【変更時期】2011年6月6日朝刊配信分より



▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2011年5月第4週:5月23日2時~5月27日18時)
第1位
A&F、日本初のLCCブランドは「Peach」-社名も「Peach Aviation」に(2011/5/24)


第2位
オーストラリア、夏に向け誘客活発化へ、SITなど底堅さも-ATE会場から(2011/05/21)


第3位
日本初LCC「Peach」が始動、関空専用ターミナルも(2011/05/25)


第4位
アイスランドで火山噴火、航空網影響は軽微な可能性も(2011/05/23)


第5位
アイスランド、「グリムスボトン火山」噴火の影響について-続報3(2011/05/27)


第6位
ジャルパック、TDR商品の研修旅行を実施-風評に負けない販促を(2011/05/25)


第7位
日本/香港、成田路線自由化へ-11年冬から増便の一部前倒しも(2011/05/23)


第8位
全日空、ボーイング787を今夏に受領へ、7月に日本初飛来(2011/05/27)


第9位
シンガポール航空、新LCCを設立、中長距離路線で展開(2011/05/27)


第10位
日中首脳、観光促進で一致、外資解禁は1社に-交流活発化に相互で取り組み(2011/05/23)

[総評] 今週は、全日空(NH)と香港の投資会社が設
立した格安航空会社(LCC)のブランドが“Peach”に、社名が“Peach
Aviation”に決まった記事が1位になりました。ピンク色の機体デザインとブ
ランド名自体のもの珍しさもあり、非常に大きな注目が集まりました。
twitterなどでの反応を見てみると、賛否両論がかなりはっきり分かれている
のが面白いところで、割合としては、色の奇抜さなどに“引き気味”な意見の
方が多いようです。


 個人的には、“LCC”というビジネスモデルは、モノクラスや機内食の有
料化といったシステマティックな側面よりも、イメージ戦略が重要であると考
えています。本来、LCCは“ローコストキャリア”であり、“ローフェアキャ
リア”ではありません。本当かどうかは知りませんが、「大手のフルサービス
キャリア(FSC)のチケットをLCCに振り替えようとしたら、FSCの運賃の方が
安くてできなかった」といった笑い話もあるくらいで、必ずしも“運賃が安い
”航空会社ではありません。


 しかし、現実にはLCCは“格安航空会社”として一般的に認知されており、
イメージが確立しています。逆にいえば、消費者に対して「これまで目にして
きた航空運賃は高いものである」と思わせ、「我々は既存の航空会社とは異な
る、格安の運賃を提供する全く新しい航空会社だ」と印象づけることが成功の
カギであるはずです。


 そうして見ると、例えばカジュアルなユニフォームや一見奇抜な機体デ
ザイン、消費者を“引き気味”にするブランド名は、FSCと自らを断絶し、既
存勢力の“守旧的”“高い”“古臭い”“堅苦しい”といったイメージとの対
比を際立たせる効果を持つと考えられます。もちろん、賛否を巻き起こすこと
で認知度を向上することもねらいのはずで、その意味では“Peach”の出だし
は順調、ねらい通りといえそうです。


 ただし、LCCは“安かろう悪かろう”のイメージ払拭のため、安全性や安
心感、清潔感のアピールも欠かせません。この点においてPeach Aviationはお
そらく、ジェットスター航空(JQ)が就航当初、カンタス航空(QF)グループ
であることを強く打ち出したように、NHのブランド力をフル活用するでしょう。
このような“いいとこ取り”のバランスが、今後のPeach Aviationにとって最
重要課題となるはずです。


 ややネガティブな書き方になってしまいましたが、LCCが一般的に持つと
される新規需要の開拓には非常に大きな期待を抱いています。海外旅行と訪日
旅行の市場拡大には座席供給量の増加が不可欠ですし、さらに若者の需要喚起
にも期待できます。


 旅行会社がLCCとどのように付き合うかは難しい問題ですが、避けて通れ
ば、近い将来さらに難しい問題に直面しかねないように思います。それこそ、
今の時代に合わせて“ローコスト旅行会社”を標榜するような会社があっても
良いはずです。柔軟な発想で荒波を乗り越えていきましょう!



▽ウェブサイトをリニューアルしました


 皆様すでにお気付きであると思いますが、5月23日にウェブサイトを全面
リニューアルしました。旧サイトは2005年から稼動していましたが、新サイト
の稼働直前には開設当初の5倍を超えるアクセスが集まるようになったことも
あり、動作が重いと多くの方からお叱りを頂戴していました。先般のリニュー
アルで、まずこの点については改善できたものと自負しています。


 今後も、例えばスマートフォンや携帯電話向けページの新設など、さら
に便利で使い勝手の良いウェブサイトをめざして改善に取り組むとともに、皆
様により一層ご活用いただけるよう掲載情報の充実をはかってまいりますので、
どうぞご期待ください。


 なお、リニューアルの一環で、6月6日の朝刊分から日刊トラベルビジョ
ンの送信元アドレスを下記の通り変更します。ドメイン指定で受信を許可され
ている場合や、また送信元メールアドレスを使用してフィルタを設定されてい
る場合は、6月4日午前11時から同6日午前6時までの間に設定を変更していただ
けますようお願いいたします。ご不明な点は、編集部までお問い合わせくださ
い( href="mailto:editor@travelvision.co.jp">editor@travelvision.co.jp
。(松本)



▽日刊トラベルビジョン送信元アドレス変更
【新】 href="mailto:postman@travelvision.jp">postman@travelvision.jp
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【旧】 href="mailto:postman@travel-vision-jp.com">postman@travel-vision-jp.co
m
【変更時期】2011年6月6日朝刊配信分より



▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2011年5月第4週:5月23日2時~5月27日18時)
第1位
A&F、日本
初のLCCブランドは「Peach」-社名も「Peach Aviation」に

(2011/5/24)


第2位
オーストラ
リア、夏に向け誘客活発化へ、SITなど底堅さも-ATE会場から

(2011/05/21)


第3位
日本初LCC
「Peach」が始動、関空専用ターミナルも
(2011/05/25)


第4位
アイスラン
ドで火山噴火、航空網影響は軽微な可能性も
(2011/05/23)


第5位
アイスラン
ド、「グリムスボトン火山」噴火の影響について-続報3
(2011/05/27)


第6位
ジャルパッ
ク、TDR商品の研修旅行を実施-風評に負けない販促を
(2011/05/25)


第7位
日本/香港、
成田路線自由化へ-11年冬から増便の一部前倒しも
(2011/05/23)


第8位
全日空、ボ
ーイング787を今夏に受領へ、7月に日本初飛来
(2011/05/27)


第9位
シンガポー
ル航空、新LCCを設立、中長距離路線で展開
(2011/05/27)


第10位
日中首脳、
観光促進で一致、外資解禁は1社に-交流活発化に相互で取り組み

(2011/05/23)