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南アフリカ、見本市「INDABA」開催−新ブランドでW杯後の旅行需要を創出

  • 2011年5月10日
 南アフリカ共和国のダーバンで5月7日、4日間に渡るアフリカ最大の旅行見本市「INDABA(インダバ)」が開幕した。南アフリカは昨年のFIFAワールドカップ(W杯)を機に大きく認知が向上し、今年のインダバには全世界から1万3000人以上の訪問者が見込まれている。日本からはメディアを含む16社が参加した。

 W杯の開催によって昨年の南アフリカには800万人の旅行者が訪れ、インバウンドの旅行産業は15.1%増の伸びを示した。今年はW杯後の旅行需要をいかに成長させていくかが主要なテーマとなる。開会式では、南アフリカ観光局CEOのタンディー・ジャニアリーマックレイン氏が、新ブランドの構築に向けた「Leaving Ordinary Behind」というスローガンを紹介。サファリや大自然でのアドベンチャーなどの非日常的な体験のほか、「南アフリカの友好的な人々との交流がさらに満足を深める」として、旅行者と地元の人々との心の結びつきを強調した。

 観光大臣のマルチネス・ファン・スカウクフェーク氏は、「2020年までに国外からの旅行者1500万人、国内旅行者5000万人、旅行関連の雇用22万5000人分の創出をめざす」と目標を提示。従来のヨーロッパ市場に加え、近年訪問者の増加が著しいインド、中国、ブラジルといった新興国市場に力を入れるという。また、政府機関と民間企業の関係を強化する方針。雇用創出のために中小企業への支援にも積極的で、富裕層だけでなく、国内を含む中間所得層の旅行者獲得にも取り組む考えだ。


▽日本市場への予算は維持

 南アフリカ観光局アジア大洋州代表のブラッドリー・ブラウワー氏は、日本市場について「東日本大震災によって日本から撤退する外国人の動きも見られたが、お互いのサポートのためにもビジネスの続行を願う」と語る。「日本に対する予算をカットするつもりはない」と引き続き重視する姿勢を示した。

 会場内では、南アフリカをはじめとするアフリカ諸国から出展したサファリや高級ロッジ、ホテル、コーチ会社などのサプライヤーが、初日の午前中からバイヤーと活発な商談を展開。日本の参加者からは「サファリやロッジに興味がある。前もって予約を入れ、具体的な商談ができるとよかった」との意見や、「日本ではアフリカに関する情報が限られているので、良い機会となった」「サッカーの日本代表が泊まったホテルの情報を入手した」といった感想が聞かれた。