シンガポールから震災後初の訪日ツアーで20名来日「また日本に来たい」

今回は通常の半額程度の旅行代金で設定し20名の定員で同社のリピーター客のみに告知したところ、約3日間で定員に達した。シンガポールでは日本への渡航自粛が勧告されており(5月2日時点)、メディアでも“日本=キケン”といった印象を与える報道が多かったが、震災後初めての訪日ツアーということで空港で出発する様子が現地メディアで大きく報じられるなど、注目は高かったという。松木氏は、「日本でもシンガポールでも反応があり、アピールできた」と述べる。
実際にツアーに参加した男性、ラムさんは今回で日本への渡航は20回目というリピーターで、「大好きな日本に行くことで手助けしたかった。メディアや友人を通じて日本は大丈夫と伝えたい」と話す。また、放射線量についての資料や情報を旅行会社が事前に提供していたことで「心配することなく参加できた」と述べ、「とてもいい旅行ができている」と満足そうに語った。見頃が終了していると思っていた桜を見ながらの食事や、懐石料理のおいしさが最も印象に残っているといい、「また日本に来たい」と話していた。
フォローミージャパンの日本への送客人数は年間約5000人。訪日旅行市場が伸び始め、今後さらに販売を強化していこうとしていたところで震災が発生したという。4月から7月にかけて計4本のチャーター便利用商品も催行が決定していたが全てキャンセルになるなど大きな影響を受けた。今回のツアー実施により、「6月以降の訪日旅行に動きが出るのでは」と期待する。
▽関連記事
◆観光庁長官、インバウンド回復には日本の元気発信が重要−今後の方向性示す(2011/04/27)
◆震災からの再起−動き出した旅行業界、需要回復の兆しも−震災から40日(2011/04/20)
◆訪日旅行復興へ、関係業者が横断的な取り組み始動−AISO臨時総会から(2011/04/13)