ANTA二階会長、嘆くより立ち直りへの努力を−国内観光活性化フォーラム
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ANTA会長の二階俊博氏は主催者挨拶で、「震災で落ち込んだなか今日のフォーラムを迎えたが、沈んでばかりはいられない。みんなで立ち上がろう」と参加者に呼びかけ、「その勢いで東北を応援、励ますことができるようにしていこうというのが、今回の開催趣旨」と説明。「観光客が来なくなったことを風評被害だと言うのは簡単だが、それを言い続けることで何の効果があるか」と指摘し、「それよりも、観光地が立ち直ったというアナウンスが必要。観光業界が手を携えて、みんなでがんばりあっていこう」と、力強く語りかけた。
また、フォーラムの地元実行委員会委員長の伏江努氏は、「内需拡大の鍵は観光の復活にかかっている。今こそ地域に根ざす旅行会社の社会的使命、行動を起こすとき」と述べ、「地旅とは地域の人とつくり、地域の人が潤い、訪れる人も元気になる旅。地域の観光から日本の元気に向けて行政関係者とANTA会員の英知を結集し、魅力ある地旅ブランドの拡大・流通促進をしていかなければならない」と開会挨拶をした。
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また、地旅に関しては3件の事例を着地側と発地側がそれぞれ発表。天神祭りの地旅の送客側からは、「伝統文化を後世に伝えるためには当事者はもちろん、見守る観客も重要な要素」とした上で、「1000年以上の歴史のある天神祭りは戦乱などで何度も中止の憂き目にあい、復活してきたと聞く。今回の震災でも地域の伝統文化が復活する際、地旅は力強い後押しとなるのでは」との意見が述べられた。
なお、今回のフォーラムは「地方の観光から日本を元気に」を合言葉に開催しており、ANTAとして「被災した地元の会員を助け、被災地への送客を積極的に行うなど、地域の復興に最大限の協力をする」「それぞれの地域から魅力ある地旅を発信し、旅の力で元気な日本にするために全力を尽くす」とする「富山宣言」を宣誓した。
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