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カナダ、今年の活動規模拡大も−需要回復の兆候、夏にはプラス成長に期待

  • 2011年4月15日
 カナダ観光局(CTC)副社長のチャールズ・マッキー氏は4月14日、本誌らの取材に答え、今年の観光局の活動について、「他国は抑制するかもしれないが、カナダは計画通り、あるいは計画以上の展開をしたい」と語った。今回の来日は日本市場の現状を把握し、カナダの観光業界関係者に伝えるため。旅行会社からのヒアリングの結果、「誰もこれから数ヶ月がどうなるかわからない」もののリカバリーに向けて前向きな考えが多く聞かれたといいといい、CTCとしても旅行会社と歩調を揃え、リカバリーをめざす考えだ。需要動向では、すでにゴールデンウィークの予約が戻りつつあるといい、夏以降には対前年でのプラス成長も期待しているという。

 CTCは、現在は活動を抑えているが、マッキー氏は、来日した印象として「旅行が重要であり続けることに確信を持った」と断言。その上で、日本人が震災後のストレスを抱える中で、「旅行には“リハビリ”の効果があり、今年はさらにその重要性が増すのではないか」と語った。活動の本格展開のタイミングは市場の動向を見て判断するものの、6月に全国数ヶ所で開催を計画していたセミナーも予定通りに実施。また、「今は西日本にこれまで以上に着目している」ところで、消費者の旅行観やカナダのイメージについて西日本と東日本での差異を把握する大掛かりな調査も準備を進めているという。

 活動方針に大きな変更はないものの、地震の影響で夏期休暇の延長などの動きが出ていることからロングステイにも可能性を見出しているほか、「アメリカでは9.11の後に家族旅行が増えた」ことから、家族層にも期待。さらに、旅行費用が割安になって航空座席にも余裕ができる下期が「最大の好機」と捉える。マッキー氏は、「カナダのシーズンはたしかに夏だが、非常に多数の魅力的なウィンター・アクティビティもある」とし、「これまでは十分にアピールできていなかったが、今年はより明確に焦点をあてていきたい」と語った。

 なお、マッキー氏は、カナダの観光業界側の認識について、「カナダの観光産業で働く者の多くは、日本の旅行業界関係者と個人的に親しい関係にあり、家族のようなもの」とし、震災の被害に「非常に心を痛めている」と説明。また、原発事故が「レベル7」に引き上げられたことで日本人旅行者が敬遠される懸念についても、「日本人旅行者は必ず歓迎される」と強調した。

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