AISO、災害対策委員会を立上げ−インバウンド復興へ事業支援と商品造成を

 アジアインバウンド観光振興会(AISO)は3月11日に発生した東日本大震災を受け、4月7日に開催した臨時総会正会員会議で「AISO災害対策委員会」を立ち上げた。同委員会は、政府や業界団体に向けての対応、事業支援、国内外の情報収集・発信をおこなう復興広報・事業サポートチームと、消費者向けに旅行振興の働きかけや新たな商品造成を担当する復興商品企画造成チームからなる。AISO理事を務める国際交流コーポレーション代表取締役社長岡本立雄氏は、「まず雇用維持と資金繰りについての対策を考え、同時に安全な地域では旅行できるということを(諸外国に)伝えていく」と話しており、AISOとしてインバウンド業界の復興へ取り組む姿勢だ。

 AISOでは、4月5日に正会員を集め現状把握のための会議を開催しており、臨時総会ではこの結果をふまえ、社員の雇用維持と資金面での問題や海外への正確な情報発信、風評被害などについて早急に対応が必要であると判断し、AISO災害対策委員会の設立に至った。復興広報・事業サポートチームでは、被災状況や各地での対応状況など収集しながら、日本政府や行政機関、諸外国に対し情報を発信する。情報収集しながら会員会社の雇用や事業運営などについての支援対策を実行していく。復興商品企画造成チームでは、中部以南や北海道など震災による直接的な被害が少ない地域から、需要喚起につながる商品の造成と、自治体や地域行政を含めた応援キャンペーンや各施設での特別企画などを展開も視野に入れている。


▽4月以降のインバウンド、西日本への旅行に動きも

 臨時総会では、アジア各国での東日本大震災の影響と日本受入側の状況について正会員や賛助会員らが報告。中国からのインバウンドを受け入れているアメガジャパンは、4月、5月のツアーキャンセルは発生しているものの、上海の大手旅行会社4社がゴールデンウィーク明けの商品造成に向けて航空会社に対しキャンペーンレートについて交渉していることを紹介し、「販売していかなければという機運は高まっている」と話す。さらに、香港のEGLツアーが設定した4月16日出発の沖縄4日間のツアーの販売も好調で、継続して訴求力のあるツアーを提供していく必要があると訴えた。

 また、会場では現在の正確な情報収集と発信が重要であるとの意見が多く聞かれた。「安全宣言を国として出すのは難しいと思うが、各地域の各ホテルや施設の営業状況や対応状況をこまやかに発信することはできる」、「ホテルとして海外へ情報を発信したいが韓国語や中国語がわからない。通常営業している旨を伝える文書マニュアルをつくってほしい」といった意見や要望もあり、小さな活動でもできることから取り組む姿勢が見られた。


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