KNT吉川社長、震災「必ず乗り越える」−JATA国内宿泊キャンペーン抽選会で

  • 2011年3月28日
 日本旅行業協会(JATA)は3月25日、「もう一泊、もう一度」国内宿泊拡大キャンペーン2010のプレゼント抽選会を実施した。JATA国内旅行委員長で近畿日本ツーリスト(KNT)取締役社長の吉川勝久氏は東北地方太平洋沖地震に対し、地震の被害や福島第一原子力発電所の事故など「まだまだ予断を許さない」としながらも、「今までも色々な危機を、日本経済をはじめ、旅行業界自身乗り越えてきている。(今回の地震も)乗り越えていきたいと考えている。必ず乗り越える」と力強く語った。

 JATAによると、同キャンペーンは1年間実施し、8万8250通の応募があった。吉川氏は「1泊1万円としても、8億円から9億円の効果が応募者だけでもある。企画としていい企画」と評価。国内旅行業務部部長の興津泰則氏も、2009年度は半年間のキャンペーンで1万弱の応募数だったことから「1年でこれだけ伸びたこと自体が、消費者に少しずつにしろ認知されてきたということ」と成果を述べた。

 また、旅行業界内でも店頭販売専門の旅行会社などで販促ツールとして利用する頻度が高まるなど、認知も向上。旅館ホテル連盟と本格的にタイアップを実施したことで、連盟の各事務局に「宿泊増増売の取り組みの大変大きな柱となった自覚は持ってもらっている」(興津氏)という。

 キャンペーン3年目となる2011年度は「日本を元気に。旅で笑顔に。」をテーマに設定し、4月からキャンペーンを実施する。ただし、震災や原子力発電所の事故の影響を考慮し、会員旅行会社の店頭では4月1日から開始するが、新聞告知などは控え、状況を見ながら慎重に活動を進めていく考えだ。また、旅館ホテル連盟と共同でJATA旅博2011にキャンペーンブースを出展し、消費者に対しキャンペーンの告知を実施する。

 なお、「もう一泊、もう一度」国内宿泊拡大キャンペーン2010は、国内旅行の需要喚起策として2010年4月1日から展開。JATA会員旅行会社を利用し国内宿泊旅行をした旅行者を対象に、応募すると抽選で宿泊数に応じ、旅館やホテルペア宿泊券、日本の名産品などをプレゼントする内容だ。


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